いまの時代に通用すると思っているのか。いくら天皇は法の下の平等に当てはまらないといっても、これだけ男尊女卑の考え方を誇張されたら社会に負の影響を広げるだけです▼「男系男子の皇位継承に固執した政府与党の改正案は性差別の固定化に繋(つな)がり、国民の理解を広く得られるものではありません」。日本ペンクラブ女性作家委員会は性差別を助長するとして皇室典範の改定に断固反対するとの声明を発表しました▼これまでの皇室研究を国会の審議に反映するよう求める要望書を野党に提出したのは日本女性史・ジェンダー史の研究者有志。女性・女系天皇を排除した皇室典範はつくられた伝統であり、説得力をもつ歴史の見方でないと▼都合の良い調整弁のように女性を扱う政府の改定案。女性皇族は結婚後も皇室に残るが、夫や子どもは一般人のままで別姓のような状態に。国民には家族の一体を押しつけながらその矛盾は受け入れられるのか、との指摘も▼旧宮家からの男系男子の養子にしても、「36親等から38親等の隔たりがある」という一般国民を皇族とすることへの疑問は大きい。国民の理解と支持が欠かせない制度の改変を、これだけの異論や反対にもかかわらず強引に押し通すやり方は必ず禍根を▼ペンクラブの声明は「あまりに差別的であり、人間の尊厳を踏み躙(にじ)るもの」だと。社会進歩からかけ離れていく姿は天皇のあり方に対する不信にもつながることでしょう。
2026年7月11日

