日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年7月7日

主張

国家情報会議設置
情報機関“私兵化”深化の危険

 内閣総理大臣を議長とする国家情報会議が7月にも設置されます。高市早苗首相が「我が国のインテリジェンス機能を強化するための改革の第一歩」と位置づけるもので、今後、対外情報庁の設置法案、「スパイ防止法案」などの提出をねらっています。

 情報収集・分析、国民監視の分野で「戦争する国」の本格的な態勢をつくろうとする動きです。それは権力者が自らに都合のいいように情報機関の私兵化をすすめる危険を深めるものです。

 国家情報会議の事務局として国家情報局も設置されます。外務省、防衛省・自衛隊、警察、公安調査庁などの情報機関が収集した情報が総合調整され首相に報告されます。

■国民が監視対象に

 これまでも各情報機関は国民監視を続け、「思想の自由」「集会の自由」など憲法の原則を蹂躙(じゅうりん)してきました。

 自衛隊情報保全隊はイラク派兵反対集会に参加した市民を監視、主催団体、行動形態、動員数から個人名や発言内容まで把握していました。監視対象はイラク派兵反対活動にとどまらず、社会保障の充実を求める街頭宣伝や春闘といった国民の多様な運動にまで及び、参加した人の名前や写真を記録していました。

 岐阜・大垣警察署警備課は、風力発電所設置に反対する市民を監視、得た情報を中部電力子会社に渡し、住民運動をおさえるために意見交換までしていました。

 大川原化工機事件では、警視庁公安部が時の権力者におもねり、「経済安全保障」の線に沿った“成果”を急ぐあまり、生物兵器に転用可能な機器を不正輸出したとでっちあげ、なんの罪もない市民3人を逮捕・起訴しました。

 情報機関は、各政党、政治家の動きなども情報収集の対象にしてきました。とりわけ選挙への介入は重大です。

 公安調査庁の内部文書は「議員の最大関心事は、選挙及び地元情報である。そこで共産党など当庁得意分野に焦点を当てた地元選挙情報を作成し、説明に赴くことが議員との関係を深めるのに効果的」と特定の議員との関係強化を露骨に語っています(青木理『日本の公安警察』)。

 内閣情報調査室は石破茂前首相も情報収集の対象にしていました。

 「内調の関心事は9月の自民党総裁選。安倍の対立候補と目される元幹事長の石破茂の発言は、講演会など公式の発言に加え、非公開の場での発言も収集対象だ」(「朝日」2018年7月27日付)。

 権力者が国民を監視し、弾圧する一方、情報機関を私兵化していることは重大です。

■野放しで肥大化へ

 国家安全保障の秘密と、知る権利のバランスを図るための国際的な指針とされる「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則)は、情報機関を監視する独立した機関の設置や情報公開を求めています。

 欧米諸国では規制や監視制度がありますが、日本ではまったくないまま、情報機関の肥大化がすすめられようとしています。こんな危険なことはありません。自由と民主主義を圧殺する道を許してはなりません。