フェアプレーの精神は一体どこにいったのか―。
米国のエース・バログンが決勝トーナメント1回戦で退場となり、自動的に1試合の出場停止処分となっていました。
その執行に1年の猶予期間を与える―。2回戦に同選手を出場させるための、あまりにむちゃで、ルール無視の決定です。
しかもトランプ米大統領が処分見直しの横車を押し、国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長が唯々諾々と従ったという構図が報じられています。あからさまな政治介入と、スポーツ団体の独立性の欠如による“大惨事”にほかなりません。
これは選手への冒とくでもあります。選手はお金や名誉を脇に置き、一心にボールを追い、勝てば心から喜び負ければ涙し懸命にたたかっています。それに泥を塗るものです。
スポーツの核心は公平、公正を旨とするフェアプレーの精神です。それを自ら投げ捨てる裁定。対戦するベルギー協会は、「決定に驚がくしている。フェアプレーの根本原則を守り、サッカーそのものを守る」との声明を出しています。
このままでは、サッカーがサッカーでなくなってしまいます。政治の圧力からスポーツを守るため、世界からの大いなる批判が求められます。
(和泉民郎)

