(写真)沖縄問題について活発な意見が交わされた日本ペンクラブの集い=4日、那覇市・琉球新報ホール
日本ペンクラブは4日、90周年事業「『平和の日』の集い2026沖縄~平和をつなぐ~」(琉球新報社共催、沖縄県後援)を那覇市内で開きました。戦後80年を経て、沖縄戦の記憶をどう受け継ぎ、基地被害や軍事強化にどう向き合うかについて文学、報道などを通じて考えました。
シンポジウムの第2部に登壇した、作家で日本ペンクラブ会長の桐野夏生さんは、「平和の礎(いしじ)」や「ひめゆりの塔」、日本軍第32軍司令部壕(ごう)を実際に訪れ、沖縄戦の実相を本土の人間がもっと知らなければならないと痛感したと紹介。沖縄戦は過去のものではなく、現在の基地問題などにつながっているとし、先島諸島の住民避難計画について「本当に住民を守るものなのか、再び沖縄に犠牲を押しつける構造になっていないか」と問いかけました。
大城貞俊さんは、沖縄文学が時代の証言者として、戦争や基地の現実に向き合い、人間の生き方を問い続けてきたと強調しました。表現者たちは正義と悲劇を継承する「相手に届く言葉」を探し、詩人の故・与那覇幹夫氏の詩集『ワイドー沖縄』の作品にも、言葉の力への希望と矜持(きょうじ)が刻まれていると述べ、土地に根ざした言葉に沖縄全体への励ましが込められていると語りました。
琉球新報記者の中村万里子さんは、沖縄戦当時に学徒隊として動員された少年少女たちの証言にふれたことが自身の原点だと紹介。「沖縄を犠牲にして成り立つ平和はない」「戦争は、被害者になるだけでなく、加害者になるという視点を持つことも必要」と述べ、歴史のわい曲にあらがう報道の役割を述べました。
第1部では、山田健太専修大学教授、まーちゃんさん(小波津正光・お笑い米軍基地主宰)、チビチリガマ平和ガイドの知花昌太朗さん、ひめゆり平和祈念資料館の仲田晃子説明員、南風原平和ガイドの会前会長の井出佳代子さん、中島京子さん(小説家)が登壇。
第2部では、大城聡日本ペンクラブ理事(弁護士)、當銘悠沖縄タイムス記者、映像ディレクターの平良いずみさんも発言しました。

