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2026年7月5日

主張

武器工場の国有化
戦争放棄の憲法と相いれない

 高市早苗政権の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)の原案に、武器製造工場の国有化の検討が初めて盛り込まれました。日本が長期にわたって戦争を行うことができる体制の構築のためです。高市政権の「戦争国家づくり」への危険な暴走であり、断じて許されません。

■継戦能力強化狙う

 政府は6月30日の経済財政諮問会議(議長・高市首相)で、骨太方針の原案を示しました。原案は「安全保障の強化」として「装備・体制の両面で5年以内に防衛力を変革する」と表明。「データとAI(人工知能)の活用、無人アセット(兵器)導入、反撃能力にも活用し得るスタンド・オフ防衛能力の強化等により、『新しい戦い方』に適応する」としています。

 AIや無人兵器、長射程ミサイルなどを組み合わせ、他国領土にある軍事目標を破壊できる敵基地攻撃能力を一層強化しようとしています。

 同時に、原案は「持続的な対応能力の確保に向けた取り組みを強化」するとし、戦争を長期に続けられる能力(継戦能力)を重視。そのために「防衛生産基盤強化法の見直しも視野に、安定供給が困難な重要装備品のGOCO等による国の関与」を検討するとしています。

 GOCOは「国有施設民間操業」を意味し、政府が武器を製造する工場や設備などを買い取り、運営は軍需企業が行うというものです。2023年成立の防衛生産基盤強化法は、採算がとれず事業を継続できない軍需企業の工場や設備などについてGOCOの適用を可能にしています。

 骨太の方針の原案は、この法律の改定を含め、「安定供給が困難な重要装備品」の製造についてもGOCOを適用することを検討するというものです。

 背景には、ロシアによるウクライナ侵略などにみられる戦争の長期化があります。戦争が長引いても必要な武器が不足しないようにするためで、消耗品である弾薬などの製造を想定していると報じられています。

 しかし、これは日本が他国と長期の戦争をたたかうことを想定するものです。戦争を永久に放棄することを宣言した日本国憲法とは決して相いれません。

■攻撃の標的になる

 軍需企業を優遇し、武器製造工場などの取得に巨額の税金を注ぎ込むことも極めて重大です。

 自民党と日本維新の会の連立政権合意書は「防衛産業にかかる国営工廠(こうしょう)および国有施設民間操業(GOCO)に関する施策を推進する」としています。GOCOだけでなく、政府が直接に所有・運営する「国営工廠」の創設も狙われています。

 国営工廠は戦前・戦中、旧陸海軍直属の工場として、侵略戦争遂行のための軍需を支えました。太平洋戦争では米軍の日本本土空襲の目標になり、大きな被害を受けました。戦争になれば、日本の国土が戦場となり、軍需工場が相手国の標的になることは不可避です。

 「戦争する国づくり」を阻止する運動と世論を大きくすることが求められます。