4日は、250年目のアメリカ独立記念日です。この250年は、一方では世界史に巨大な影響を与えた歴史であり、他方では帝国主義の矛盾を最も典型的に示した歴史でもあります。
20世紀に入り、アメリカはイギリスに代わり世界の覇権国となりました。圧倒的な経済力と軍事力を背景に世界各地で介入と戦争を繰り返しました。ベトナム、イラク、アフガニスタン、そして今日のベネズエラやイランへの攻撃―かつて“世界の警察官”を自任したアメリカは、軍事力によって自国中心の国際秩序を維持しようとしてきました。
■軍事力で解決せず
しかし、巨大な軍事力も歴史の流れを押しとどめられませんでした。ベトナム戦争に敗北し、20年に及んだアフガニスタン戦争も撤退という結末を迎えました。イラク戦争は地域を混乱させ、国際社会での信頼を大きく損ないました。最近のイランへの軍事攻撃も軍事力だけでは中東の安定も問題解決も実現できないことを改めて示しています。
軍事的覇権はなお巨大ですが、それだけで世界を動かせる時代は終わりつつあります。世界の盟主としての力は確実に衰え、「落日」ともいうべき局面が進んでいます。
行き詰まりは国内でも深く表れています。世界最大の資本主義国として富を集中させる一方で、格差はかつてなく拡大しました。製造業の衰退に苦しむラストベルトには「見捨てられた」という思いが広がり、トランプ現象の土壌となりました。
トランプ政権が排外主義や保護主義を掲げ、国際法や国際協調を踏みにじる政策を進めた結果、アメリカは国際的な孤立を深め、信頼と影響力をさらに損なう悪循環に陥っています。
しかし巨大な格差と資本主義の矛盾は、それに対抗する新しい運動も生み出しています。若者を中心に支持を広げる米民主的社会主義者(DSA)の発展や、「社会主義」を肯定的に語る世論の広がりは、その象徴です。社会の内部で資本主義の矛盾に対する模索が着実に進んでいます。
■民主的水脈継いで
こうした民主的・進歩的伝統は突然生まれたものではありません。南北戦争中のリンカーン大統領の再選に際し、カール・マルクスは自ら起草した国際労働者協会(インタナショナル)の祝辞を送り、民主主義発展への期待を表明しました。その後も労働運動や社会主義運動、公民権運動、反戦運動へと連なる民主的水脈が受け継がれてきました。
この伝統がいま、左派だけでなく多くの市民を立ち上がらせ、「王はいらない」デモにみられるように、民主主義をないがしろにするトランプ政権の政治に対する反撃の大きなうねりとなっています。
日本共産党はアメリカの覇権主義の政策と行動に厳しく対決すると同時に、アメリカ国民との友好、進歩勢力との連帯を一貫して重視してきました。いまアメリカ社会の内部で起きている未来への胎動は日本の民主的勢力にも希望を与えるものです。この流れがさらに発展し、平和で公正な世界を切り開く力となることがいま強く求められます。

