明日はわが身と思っている。「想定外」の言葉で片付けられてはたまったものではない――。近隣住民から寄せられた声は不安と疑心に満ちていました▼福島第1原発で起きた原発事故のあと、静岡・御前崎市にある浜岡原発も激動しました。地元紙は長期連載を展開。見えない恐怖におびえる人たちの姿や事業者である中部電力との揺らぐ関係を掘り下げました。そして原発推進はもはや国策になりえない、原発に頼らない地域振興策の模索を提言しました▼全炉停止から15年の今年、またも揺れ動いています。中電のデータ不正によって。想定する地震の揺れを意図的に過小評価し、それを隠蔽(いんぺい)するために発覚後もデータを操作していました。不正の上塗りです▼地震大国の原発にとって、揺れへの備えは最も重要な課題です。それを再稼働ありきで改ざんすることは根幹を揺るがす行為で、中電に原発を運転する資格があるのか▼巨大地震の震源域に位置し、世界一危険といわれる浜岡原発。心よりおわびするという中電ですが、これまでも背信行為をくり返してきました。ほかの電力会社同様に。今回の不正も外部からの通報であらわになったもので規制委のずさんな審査や姿勢も問われています▼福島の事故後に地元紙が実施した県民調査では、ただちに再稼働を求める意見はわずか1%超でした。周辺の自治体や住民からは「永久停止」を訴える動きがわき起こりました。それは今も。
2026年7月3日

