日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年6月28日

「田村さんと学ぶジェンダーと『資本論』入門」

田村委員長の講義(一部抜粋)

 13日に日本共産党の田村智子委員長を講師に開催された「田村さんと学ぶジェンダーと『資本論』入門」(全国女性日本共産党後援会主催)。このうち一部を抜粋して紹介します。なお講演者の責任で、補筆・整理を行っています。


Q 『資本論』とジェンダー、どんなつながりがあるのでしょうか。

写真

(写真)Q&Aに答える田村智子委員長(左)。右は司会の寺園通江世話人=13日、党本部

 『資本論』を真正面から語るのは初めてなので、どういう学習会になるのかドキドキしながらですが、楽しく話を進めていけたらと思います。

 マルクスの『資本論』、これが第1部です(『新版 資本論』1~4分冊を示す)。さらに第2部、第3部と続いていきます。「赤本」(『Q&Aいま「資本論」がおもしろい』)は、この第1部の概略を志位和夫議長がお話ししたものです。

 女性の過労死を告発した最初の経済学の文献

 『資本論』と聞くと、もっぱら社会主義・共産主義を論じたものと思われる方もいるかもしれませんが、資本主義の経済を徹底的に分析し、そのなかから未来社会の姿を明らかにした書物です。だから、第1部だけでこれだけの分量になるのです。第1部では、資本主義の経済のもとで、女性と子どもの悲惨な働き方、粗末な食事、劣悪な住居、絶望的な生活が、相当な分量で怒りを込めて告発されています。「赤本」(71ページ)では、過労死を経済学の文献で告発した最初の書が『資本論』だということも紹介されています。

 「単なる働き過ぎからの死」という見出しで、ロンドンのすべての新聞が、「声望のある宮廷用婦人服仕立所」で働く20歳のメアリー・アン・ウォークリーが過労死した、という記事を掲載した。この仕立所は、平均16時間半労働、社交シーズンになるとさらに忙しくなり、疲れて動けなくなると、ポートワインやシェリー酒で刺激して働かせる。30時間休みなしも当たり前。「メアリー・アン・ウォークリーは金曜日に病気になり、エリーズ夫人〔これは経営者です〕のおどろいたことには、そのまえに縫いかけの婦人服の最後の仕上げさえもせずに、日曜日に亡くなった」(『資本論』②443ページ)

 メアリーは『資本論』で4回登場し、ほかにも、さまざまな女性と子どもの労働の実態が描かれています。

 「大工業は古い家族関係を解体する」

 同時に『資本論』は、資本主義の害悪を告発しているだけではありません。「赤本」のQ2(26~27ページ)では、『資本論』の特徴の一つとして、資本主義が「人類社会の歴史のなかで生まれるべくして生まれたこと、この社会が人類の発展にとってどういう積極的な意義をもつのか、さらにこの社会が資本主義の先の社会を…準備するどういう要素をつくりだしていくのか」、また資本主義が「没落に向かい、次の社会――社会主義・共産主義の社会に交代する必然性をもっている」ことを明らかにしていると述べています。ダイナミックな捉え方ですよね。

 一つ例を挙げると、「赤本」(103ページ)の「機械制大工業」では、ジェンダーに関わって、「大工業は、古い家族関係そのものを解体する」とマルクスが論じていることを紹介しています。

 「大工業は、家族と男女両性関係とのより高度な形態のための新しい経済的基礎をつくり出す」――「より高度な形態」つまり未来社会の基礎をつくりだしている。労働者の集団が男女によって構成されていることは、「資本主義のもとでは退廃と奴隷状態の源泉だが、適切な諸関係のもとでは、逆に、人間的発展の源泉に急変するに違いない」とも言っています。ここで「適切な諸関係」と言っているのは未来社会のことです。

 19世紀のイギリス、大工場での労働は、女性の健康もむしばみます。都市部に人口が集中して、狭い住居で男女お構いなしで同じベッドで就寝する。しかもベッドが冷たくなる暇(いとま)がない、次々と交代で帰ってきては寝るからです。これらが退廃を生んでいく。

 しかし同時に、女性が家の中だけの無償労働から解放されて、社会的生産の担い手となることにより、「家長」が、他の家族の人生の決定権を全て握るという、古い家族制度は解体されていく。そしてまた、女性も男性も労働者となることで未来社会の基礎がつくられる。女性も男性も社会的生産の担い手となることは、未来社会では、人間的発展を急速にもたらすに違いない――ジェンダー平等が人間的な発展をもたらす源泉と述べているのです。

 古い家族制度が解体されていく。今日の日本社会に照らして、私が思い浮かぶのが、選択的夫婦別姓です。長年の運動によって、今や経済界・経団連まで選択的夫婦別姓を要求しています。女性たちが経済活動にとって不可欠の働き手となるもとで、古い封建的な考え方を押し付けてきた財界も、このままでは経済活動が妨げられると認めざるを得なくなっている。選択的夫婦別姓の実現の必然性も、『資本論』の中から見えてくるように思えます。

Q 男女雇用機会均等法の施行から40年。いまだに男女の賃金格差もあり、女性の役員割合も低いままです。『資本論』に職場のジェンダーギャップを考えるヒントはありますか?

写真 写真

 日本の男女賃金格差はフルタイムで男性100とすると女性は78。女性の就業者に占めるパート労働の割合が多いことも、日本の特徴です。そして、日本では女性の管理職割合が16%とあまりに低い。

 素朴な疑問として、なぜ女性の賃金が男性よりも安いのが当たり前とされてきたのでしょうか。管理職が少ないというのも賃金が低い要因ですが、では女性の管理職がこれほど少ないのはなぜか。これらを資本主義経済の大きな特徴との関係で考えてみたいと思います。

 機械制大工業のもとで
 女性たちは“未熟な労働者”とされた

 『資本論』では、機械経営が労働者に及ぼす影響として、こう言っています。「機械が筋力を不要にする限り、それは、筋力のない労働者、または身体の発達は未成熟であるが、手足の柔軟性の大きい労働者を使用するための手段となる。だから、女性労働および児童労働は、機械の資本主義的使用の最初の言葉であった!」(『資本論』③693ページ)

 このように、機械制大工業が導入されたときに、女性と子どもは、熟練労働者としてではなく、最初から“未熟な労働者”として低賃金の働き方が出発点となっているのです。ここに職場でのジェンダーギャップの原点があると思います。

写真

 日本が機械制大工業へと移行していくのは明治時代です。これは1891年(明治24年)、石岡製糸会社(茨城県)の写真ですが、160人の女工さんがずらっと並んで働いて、おそらく奥の方にわずかな人数の男性が女工たちを監督している構図でしょう。富国強兵の国策により、急速に大工業化が進められた明治時代、製糸工場は輸出の稼ぎ手となり、農村などから女性たちが大量に駆り出されました。

 女工たちが“未熟な労働者”として扱われた事例として、資本家家族の家事労働、子守りに回される人もいました。実は私の母は製糸工場の工場主の娘でしたが、赤ちゃんの頃の写真は、抱っこしている人が写真ごとに違うのです。「どうして?」と聞くと、女工さんだと話してくれました。

 機械制大工業の始まりと同じ時代に、教育勅語が発せられました(1890年)。「夫婦相和シ」とありますが、その意味するところは、女性は能力も体力も男性よりも劣るので、夫に守ってもらいなさい、というものです。旧民法も、妻は「無能力者」であり夫に従うものとされました。日本での機械制大工業の発展は、男尊女卑の差別構造が強化された時代とまさに重なったといえるでしょう。

 性別役割分担論に立つ「新しい家父長制」

 先ほど、機械制大工業によって「古い家族制度が解体されていく」ことをお話ししましたが、「赤本」では、それは一直線に進まない、ジグザグの道をたどると述べています。

 戦後の日本では、日本国憲法のもとで、戦前のような野蛮な「家父長制」――男の「家長」にすべての法律的な決定権がある封建的な家族制度は解体されましたが、「高度経済成長」と言われた時期に、財界によって新しい「家父長制」がつくりだされたと強調しているのです。

 『前衛』7月号に、党ジェンダー平等委員会の米沢玲子さんの「均等法施行四〇年――職場のジェンダー平等をすすめるために」という論文が掲載されています。その中の資料を紹介しましょう。

 日経連(日本経営者団体連盟)が、1964年に発行した『女子従業員管理の考え方と実際』の抜粋です。「全家族の生活を支える責任を負う立場にある男子と、その補助的な傍役(わきやく)的な責任で十分である女子の立場の相違」があるから賃金の違いは当然だ、「結婚してからは、妻としての座を全うし、子を産んでは母として育児の責任を万全に果たしてゆくところに、人間としての生甲斐(いきがい)があり、社会的責任を果たしてゆく正道がある」「女性は女性としての特質と限界を忘れてはなるまい」。

 就職先も結婚相手も家長が決めるという「古い家父長制」は、日本国憲法のもとでは公には通用しなくなりました。しかし、性別役割分担論に立つ「新しい家父長制」とも言うべきジェンダーを、経済界は積極的に振りまき、職場に徹底していったことがわかります。

 女性を未熟な労働者として低賃金で搾取し、結婚した女性労働者は使い捨てる。そして、男性に対しては「家庭を顧みず企業戦士として働け」と、長時間労働を押し付ける。強力な搾取の体制が、つくられていったと言えるでしょう。

 もちろん、女性たちはたたかって、「30歳定年制」や結婚退職制度を変えさせていきました。日本も女性差別撤廃条約の批准を迫られて、男女雇用機会均等法を制定することとなりました。これは条約を批准するために必要な法整備だったのです。

 「均等法」のもとでも男女差別を温存した財界

 均等法は、1985年の国会で制定されます。法案提出は5月ですが、2月の本会議では、「男女雇用平等法」を制定すると、中曽根康弘首相(当時)が演説しています。女性たちの要求を受けてのことです。本気で政府が「平等法」をつくるとしたら、性別役割分担論を克服して、女性労働者を未熟、半人前扱いしてきたことを反省しなければならないはずです。

 しかし、政府も財界も、反省もなければ、男女平等へと変えるつもりもありませんでした。財界からは「結果の平等にしてはならない。機会の均等にとどめよ」という猛烈な要請行動が行われます。そればかりか二枚舌で、「男女平等と言うならば、女性に対する残業や深夜労働の規制をなくせ」と要求したのです。労働組合の反対を押し切って、政府は財界の求める方向へと動きました。

 均等法施行の86年、日経連は『賃金交渉の手引き』を発行しました。均等法によって「なぜ女性と男性で初任給が違うのか」と言われかねない。そこで提案したのが、複数型人事制度=コース別採用・コース別人事制度です。「男女で分けているのではない。一般職・総合職というコースだ」と、新たな男女差別を導入し、温存してきたのです。

 これまでも、私は均等法に対する財界の対応に強い怒りを持ってきましたが、この問題を「搾取」という視点で見ると、問題がより鮮明に見えてきます。

 女性に対する差別の解消を求めると、ならば残業も深夜労働もやりなさい、つまりは剰余労働時間をさらに延ばせるようにしてしまう。「家計の主たる担い手ではない」という扱いは温存し、家族分の生活必需品をまかなう賃金は必要ない、つまり賃金は男性よりも少なくてよい、ということになる。女性に対して、長時間労働と低賃金という二重の搾取をしているのではないのか。

 日本共産党が、男女雇用平等法として、結果の平等を求めているのがなぜなのか。長時間労働の是正、労働時間短縮と賃上げをセットで求めているのがなぜなのか。搾取とたたかうからだ、ということも見えてくるのではと思います。

Q ジェンダー平等が進んだ北欧でも性搾取や暴力、ハラスメントがあると聞きます。これらは資本主義のもとでもなくせるのでしょうか?

 ジェンダー平等が進んでいる北欧などでも、性搾取、性暴力、ハラスメントが深刻な問題であり、これらを根絶しようという運動は世界各国で広がっています。

 性搾取や性暴力は、個人に対する支配、抑圧の最悪のあらわれであり、ジェンダー差別の最悪のあらわれだと思います。国連憲章や世界人権宣言、あるいは国際人権規約、女性差別撤廃条約など、国際的な規範やこれに基づく各国の法規制によって、人権の擁護は大きく進んできているし、資本主義社会のもとでも、性暴力等の根絶のために頑張っていかなければなりません。日本は「買春」への罰則もない、ハラスメントを禁止する法律もないなど立ち遅れていますから、法規制もきちんとやらせていかなければなりません。

 同時に、資本主義のシステムそのものを変えようという運動を進めることが、性搾取、性暴力の根絶にも大きく貢献していく、ここに焦点を当ててお話ししたいと思います。

 原始共同体では男女は平等な関係だった

 「青本」(『Q&A共産主義と自由』、128ページ)に、ジェンダー平等と未来社会について、次のように語られています。「ジェンダー平等は、資本主義のもとでも最大限に追求されなければならないし、資本主義のもとでも多くは実現可能だと思いますし、現にどんどん実現しつつあります。ただ同時に、私は、人類の社会が社会主義・共産主義に進んで、人間による人間の搾取がなくなって、あらゆる支配・被支配の関係――権力関係がなくなって、差別をつくる根がなくなって、本当に自由で平等な人間関係がつくられてはじめて、ジェンダー平等も完全な形で実現するのではないか」。ここに科学的社会主義のジェンダー平等への捉え方が、凝縮されているように思います。

 マルクスは『資本論』の執筆中に、人類学者(モーガン)の研究から、原始共同体の時代は男女には差別がない、男女は平等な関係にあったということを知って衝撃を受けて、男女の関係が支配・被支配の関係になっていく過程を解き明かそうとしました。しかし、途中で寿命が尽きてしまう。エンゲルスがその遺志を継いでまとめたのが、エンゲルスの『家族・私有財産・国家の起源』(以下『起源』)です。

 これは、人類史の中で女性への差別と抑圧がつくられた根源を明らかにして、真の男女平等の未来社会を展望する科学的社会主義の文献です。解説書としては、不破哲三さんの『社会進歩と女性 「女性の世界史的復権」の時代が始まっている』(2008年)があります。近刊では、新日本婦人の会京都府本部会長の澤田季江さんの『家父長制とジェンダーの日本史』は、『起源』の視点で、日本の歴史を古代から解き明かしている力作です。

 『起源』の入り口だけ紹介すると、人類が集団生活を始めたとき、子どもは母親の子どもだということが明確な母系社会であった。そして、女性も男性も生活のための労働を平等に担っていて、狩りなどをするのが主に男性だったとしても、男性が優越的な労働で、女性の労働が補助的というものではなく、どちらも生きていくために不可欠な労働であり、そこには優劣がなかった。

 この平等な関係がどうして壊されていったのか。私有財産を男性が自分の子どもに継がせるようになる。争いや支配と抑圧が生まれていく。こういう過程が明らかにされています。

 エンゲルスは「母権制の転覆は、女性の世界史的な敗北」(『起源』古典選書79ページ)と述べています。

 搾取をなくしてこそ真の対等・平等な関係が実現する

 『起源』の中で示された女性解放の展望を、志位さんが『改定綱領が開いた「新たな視野」』で簡潔にまとめています。(90ページ~)

 第1は、法律的な平等だけでなく社会的な平等が大切だということ。第2に、女性の社会的な平等を確立する上では、公的産業への復帰が決定的な意味を持つこと。第3に、そのためには家事、家の中の仕事が女性に押し付けられている現状を根本から打開する社会改革が必要で、私的家政を社会的産業に転嫁することが必要――ケア労働の大切さがあらわれています。そして第4に、結婚生活における男性の優位は、男性の経済的優位の結果であり、こうした不平等な経済的な基盤を取り除いてこそ、真の意味での両性の対等・平等な関係が実現するということ。

 さらに、ここにとどまらないと指摘し、エンゲルスが、未来社会における両性の関係を次のように述べていることを紹介しています。

 「なにがつけ加わるだろうか? それは、新しい一世代が成長してきたときに決定されるであろう。すなわち、その生活中に金銭ないしその他の社会的な権力手段で女子の肌身提供を買い取る状況に一度もであったことのない男子たちと、真の愛以外のなんらかの顧慮から男子に身をまかせたり、あるいは経済的結果をおそれて恋人に身をまかせるのをこばんだりする状況に一度もであったことのない女子たちとの一世代が、それである」(『起源』112~113ページ)

 性搾取はもちろん不同意性交を全く経験したことのない世代が、新しい男女の関係をつくるであろう。未来社会では、性に関わる支配的関係が、文字通り根絶されることを展望しているのです。

 性暴力は、知人からの加害が多く、訴えることがより困難となってしまうことが、フラワーデモなどの訴えにもあらわれています。親、兄、親戚、あるいは先生、上司、先輩、医師、こうした上下関係、支配・被支配の関係、権力的な関係を利用して性暴力が行われてしまう。

 性搾取の場で働いている人について、「自分の意思で働いている」「ビジネスなのだから対等だ」と言われることがありますが、本当に対等・平等な関係からその仕事は始まっているでしょうか。何らかの支配・被支配、抑圧という関係性がないと言えるでしょうか。本当に利益を得ているのは誰なのかも、問われなければなりません。

 人と人との関係、男女の関係から、こうした権力的なもの、支配・被支配の関係が一切なくなる社会はどうしたら実現するのか。搾取は、支配・被支配の関係です。搾取をなくす、つまり抑圧的なものを人類社会からなくしていこうというのが、資本主義を乗り越えて、社会主義・共産主義の社会を目指す運動なのです。

 私たちはこうした考え方を、科学的社会主義の文献から学んでいるだけではなく、勇気を持って性暴力を告発してたたかってきた方々から学び取っているということもお伝えしたいと思います。現実の問題とたたかう中で、未来社会への展望が豊かに発展するし、その未来社会に近づく一歩一歩を刻むことができるのではないかと思います。

ともに学び、つながり、たたかいを起こそう

 今、「憲法守れ」「戦争反対」と声をあげる新しい運動、たたかいが、とくに女性たちのなかで湧き起こっています。ここに社会を変える希望、力があると実感しています。

 実はこの「赤本」の学習も、知識を得るだけではなくたたかう力になっています。「赤本」の学習で、搾取の仕組みを知ったある女性は、サービス業で窓口業務をしているけれど、交代の職員もいないし、昼食休憩もない。来客が途切れたときに、急いで昼食をとる状況でした。「赤本」学習で搾取の仕組みを知り、資本家が休憩時間をかじり取る、というマルクスの告発に、「私のことだ」となったそうです。そして、勇気を持って上司に、昼の休憩時間が欲しいと交渉した。会社側は、昼休み30分だけ受付窓口を閉めるという対応に変わり、昼食の時間を保障したということです。

 「赤本」でも「青本」でも、志位さんが熱く語っているのが、『資本論』はたたかいの書である、たたかってこそ社会を変えることができると呼びかける「希望の書」だということです。

 戦後、ジェンダーをめぐっても、早期退職や早期定年制、賃金差別、昇格・昇給差別、間接差別、選択的夫婦別姓、同性婚、本当にたたかいは営々と今も続いています。

 私たちは一人ではないし、一緒に学んでつながって、その輪を広げて、同時に一人ひとりが学んで力をつけて、こういうたたかいを起こす人、組織する人になっていこうということを最後に呼びかけて、終わりたいと思います。

           視聴者の感想から           

「残業できなければやめろ」 “未熟・無能”扱い腹立たしい 女性の抑圧 根源は資本主義 「二重の搾取」の実態わかった

 日本共産党の田村智子委員長を講師に迎えて13日に、党本部と全国をオンラインで結んで開かれた「田村さんと学ぶジェンダーと『資本論』入門」では、各地から感想が寄せられています。一部を紹介します。

 「総合職で入社しても『転勤に応じなければ、一般職に』と結婚してから言われて困っている、との声を聞いた。男女関係なく『残業できなければ、会社をやめろ』と社長に面談で言われたとの声もある。それはパワハラではないのか? そもそも労働基準法に反するのでは? その会社のボーナスは、10カ月分です。それでも株価はすごい! 搾取されていると分からないですよね。そのことを話してくれた方は、おかしいと思ったので話してくれたと思う。その人とこれからも話をしていきながら、つながって、つながりを増やして、たたかいをおこさないと!」(長野県)

 「会計年度任用職員で週4日6時間勤務です。10年以上働いているけど、退職金も出ないし、正規職員では受けられる講習が受けられなかったりします。不平等といつも感じますが、自治体から変えていってもらいたいです」(本部会場)

 「私が印象に残ったのは、そもそも(女性の働き方が)出発した“女性は未熟”ということが延々とジェンダー差別の根拠となっていることです。せっかく社会進出を果たしても“未熟”“無能”扱い、ホントに腹立たしい! 一つ一つ、たたかって変えていくことが、次につながっていくこと、次の社会をつくることだと改めて感じました」(広島県)

 「私の娘は関東地方で3人の子どもを育てながら保育士をしています。延長保育時間が延びていく中で、自分の子どもと過ごす時間が削られていくままでいいのかと悩み、相談されたことがありました。保護者の会社の条件に合わせて保育園の就業規則が変えられていくのは勝ち取ってきた保育士の権利を後退させることになるのではないかと、もっともな考えでした。そこは働く人たちの連帯で立ち向かえると思います」(岩手県)

 「いとこが高校2年生なのですが、痴漢にあったときに、あまりとりあってもらえなかったということで、とても悲しくなりました。性被害にあったことのない女性、性搾取をしたことのない男性という新たな世代が生まれてくるようなイメージが、現実ばなれでなくリアルに考えられるような未来を過ごしてみたいです」(本部会場)

 「長時間労働をしなくてもよくなる社会へ、格差のない本当の平等な社会へ、人間らしい生活が送れて気持ちに余裕のある日々…すばらしいですね」(YouTube視聴)

 「日頃の生活の中での気づきや、そのことから物事を考えることが大変肝要であると感じました。私は建築会社に身を置いてますが、ジェンダー平等ということにおいては、とても遅れた業界であると思います。長く身を置いている私などにとっては当然と感じることが、若者や別業界から転職した者にとっては、ズレを感じるといったことがあります。これを使命と捉えて改善に努めたいと思います。また、根っこには、利益第一に動く資本主義があるという話の筋に大変共感できました」(本部会場)

 「女性が抑圧されていると感じてきたが、その原因の行き着く先は資本主義ということを学び、衝撃を受けた」(愛知県)

 「日本の労働者のおかれている実態をつくづく感じました。格差社会、特に女性の賃金の低さには、日本の政治の企業優先のあり方が見えてきます。変えるには運動をつくるしかないと思います」(長野県)

 「職場の中で男性も搾取されているけど、それ以上に女性は『二重に』搾取されている実態がわかりました。さらにこの構造は家庭内にも存在している、『無償の労働』という形で時間的にも精神的にも女性は追い詰められている。このことから改善していかないと少子化は止められないと思います」(YouTube視聴)