日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年6月28日

主張

国旗損壊処罰法案
乱暴で危険な違憲立法 廃案に

 あまりにも乱暴で危険な憲法違反の法案です。自民、日本維新の会、国民民主、参政の4党が共同提出した国旗損壊処罰法案が衆院内閣委で採決が強行され、今国会で強引な成立が狙われています。

 「思想の自由」など憲法の原則を幾重にも蹂躙(じゅうりん)し、社会を萎縮させる法案を強行することは許されません。

■当局の判断次第で

 法案は、憲法が保障する「思想及び良心の自由」(19条)、「表現の自由」(21条)を侵し、どんな行為が刑罰の対象になるか明確にしなければならないという、憲法の原則―罪刑法定主義(31条)を踏みにじる違憲立法です。

 法案は、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損」した場合、2年以下の拘禁刑などを科すとしています。

 しかし、国旗損壊が社会問題になっているわけでもなく、もともと法律を必要とする根拠(立法事実)がなく、無理筋の法案です。共同提出した国民民主の玉木雄一郎代表も「立法事実はない」と認めるほどです。国会審議でも、自己所有の国旗を損壊した事例を質問され、法案提出側は「見聞きした者はいない」というありさまです。

 いまでも他人の所有する国旗を損壊すれば器物損壊罪で処罰されます。では国旗損壊罪で新たに何を処罰の対象にするのか―。政権への抗議として自分が保有する国旗に何らかの手を加え、表示すれば処罰されかねません。国旗の「損壊」でなく、個人の内心の問題に踏み込み、国旗にかかわって思想や表現を取り締まろうとするのです。

 そもそも「著しく不快又は嫌悪の情」とは何で、「催させるような方法」とは何か、まったく曖昧です。法案は、「行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案」して判断するとしますが、人によって異なる主観的な「嫌悪の情」に明確な基準を示すことは不可能です。

 国会質疑では、個別事例をあげて処罰対象になるかを問われても明言できず、「総合的に勘案」すると逃げる場面が目立ちました。同じ行為であっても、「総合的に勘案」した結果、「処罰対象になり得ることも、なり得ないこともあり得る」という答弁までされました。捜査当局がいかようにも判断しうる仕組みになっているのです。

■将来に禍根を残す

 玉木代表は自民の当初案について「間違いなく違憲立法」と批判していました。それを、国旗を損壊した映像をSNSに投稿することを処罰対象から削除するだけの修正で一転、賛同する無節操な姿を見せつけています。しかもライブ配信は処罰対象のままとデタラメです。

 各紙社説も批判の声をあげています。「必要性がなく、弊害が大きい。強く反対する」(「朝日」)、「憲法21条が保障する表現の自由を侵害する恐れが強い」(「毎日」)

 憲法違反が問われる重大法案をまともな審議もないまま、成立を狙うなどあまりにも乱暴で、将来に禍根を残す議会制民主主義の自滅行為です。憲法に明確に違反する法案は廃案にすべきです。