防衛省が導入する米国製の長距離巡航ミサイル・トマホークの運用・維持費総額(ライフサイクル・コスト)が、1発あたり7億円超に達することが分かりました。通常、トマホークは数発から数十発を同時に発射するため、数十億円が瞬時に消える計算です。
同省防衛装備庁が5月に公表した報告書「プロジェクト管理対象装備品等の現状について」によると、約30年の運用を想定し、(1)配備(購入)1694億円(2)維持整備899億円(3)廃棄198億円―で総額2791億円と見積もっています(表)。防衛省は米国から最大400発のトマホークの導入を予定しており、単純計算で1発あたり約7億円です。
ただ、これにはミサイル本体を保管する格納容器(キャニスター)が含まれていません。格納容器は1基あたり2500万円前後とみられます。
政府は2023年度予算にトマホーク400発と格納容器を合わせた購入費2113億円を計上。単純計算すれば、格納容器と合わせて1発あたり約5億2800万円となります。
一方、米海軍が使用するトマホークと格納容器の合計単価を23年度当時の為替レートで計算すれば、おおむね2億8000万円となります。米政府は日本に、国内単価の2倍近くで売り付けていることになります。
加えて、トマホークの維持整備費899億円のうち、877億円は米側に支払われます。内部は高度な軍事機密のため、日本側が触れることを許されないからです。米側に支払う維持整備費の妥当性は、検証がほぼ不可能です。
しかも、米側が対イラン攻撃で大量のトマホークを消費して在庫が枯渇したため、今年3月以降に開始される取得が大幅に遅れる見通しです。現時点で自衛隊が獲得しているのは「発射能力」だけ。肝心の“弾”は手にしていません。
そもそも、トマホークは違憲の敵基地攻撃能力の一環であり、保有自体が許されません。それを米側単価の2倍近くで買い、高額の維持整備費を契約し、あげくに約束の期日に引き渡されない―米国の身勝手さと屈従的な日本政府の犠牲になるのは、税金をむしりとられる国民です。

