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2026年6月27日

主張

日銀金利引き上げ
暮らしと営業守る対策を急げ

 日本銀行が16日、さまざまな金利の基準となる政策金利を0・25%引き上げ、1%としました。35年ぶりの高水準です。利上げは預貯金金利を引き上げて利子収入を増やす一方、貸出金利も上げるため、住宅ローンや中小企業の資金調達に負担増をもたらします。生活と営業を守る対策を急がなければなりません。

 政策金利は、銀行など金融機関同士がお金を短期間貸し借りする際の金利です。日銀が利上げをすれば、対応して銀行の貸出金利が上がり、個人や企業がお金を借りにくくなって経済活動が抑制され、物価を下げる効果があるとされます。今回の利上げについても、消費者物価上昇率が、日銀の目標である2%を超えてさらに上がるリスクがあるので、それを抑えるためと説明されています。

■賃金、年金上げよ

 しかし、今の物価高の主な原因は、米国のイラン攻撃やロシアのウクライナ侵略に起因する燃料・原材料価格の高騰です。利上げでどれだけ抑えられるか、効果が疑問視されています。輸入物価を押し上げている円安は、利上げ以後も1ドル160円を超える水準が続いています。

 預貯金金利が引き上げられても、預貯金の少ない低所得者の増収は限られています。住宅ローンの金利上昇は、主に若年層、現役世代の大きな負担となります。

 政府による抜本的な物価対策が不可欠です。消費税率をすべての品目で緊急に5%に下げることが最も効果的な物価抑制策です。

 物価高を上回る賃上げは一刻の猶予もなりません。実質賃金は4年連続減少です。大企業の内部留保は増えるばかりです。これを賃上げに回す必要があります。最低賃金については、今すぐ全国一律で時給1500円以上を実現し、さらに1700円をめざすことが政府の責務です。

 年金も引き上げるべきです。「マクロ経済スライド」など年金を実質減額させる仕組みをただちに撤廃し、「減らない年金」に改革することが急務です。

 金利上昇は奨学金を受ける学生に深刻な負担増となります。利率見直し方式の有利子奨学金の利率は大幅に上昇しています。貸与奨学金の返済に減免措置をとるとともに、奨学金を給付制中心に改めなければなりません。

■中小企業倒産防げ

 2025年度の企業倒産は1万件を超え、12年ぶりの高水準です。小規模企業が圧倒的多数を占めます。銀行の貸出金利が上がり、中小企業の資金調達はますます難しくなります。これ以上、政府が手をこまねいていれば、中小企業、特に小規模企業がさらに減少してしまいます。

 無利子・無担保の特別融資制度を創設するなど、緊急の思い切った資金繰り支援が求められています。中小企業の賃上げを支援するため、社会保険料の負担を軽減することも欠かせません。

 高市早苗政権は近く決定する成長戦略に大企業支援の大幅拡大を盛り込んでいます。逆転した政策です。雇用の7割を占める中小企業への抜本的支援こそ政府の役割です。