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2026年6月26日

きょうの潮流

 娘の嫁ぎ先をがたがたにしたろか。そう脅され、もう自分はどうなってもかまわないと「自白」した。しかしそれは殺害の場所や方法も特定できず、信用性もないものでした▼42年前、滋賀県日野町で起きた強盗殺人事件。それをテーマにしたノンフィクション小説『白い波』は、警察や検察に犯人とされた阪原弘さんやその家族、周りの支援者の姿を活写しました▼公判で阪原さんは一貫して無実を主張しましたが、無期懲役の服役中に75歳で病死。たたかいを引き継いだ遺族によって今年ようやく再審が確定し、やり直しの裁判が開かれることに。協議の中で検察側が有罪立証しない方針を明らかにしたことで無罪が確実となりました。逮捕から38年、奔走した長男の弘次さんは「父ちゃんやったで」と▼再審請求で最大の焦点となったのは証拠の開示でした。遺体の発見現場に阪原さん自らが案内したとする捜査報告書が有罪根拠の一つとなりましたが、それは弁護団が開示させた写真のネガによって警察官の誘導の可能性があると認められました▼参院の場に移った政府の再審法改定案は、手持ち証拠の開示も不服申し立ても検察の判断次第という改定に値しない重大な内容を含んでいます▼共産党の仁比議員は「冤罪(えんざい)被害救済のための再審が開かずの扉、絶望の扉のままになってしまう」として徹底審議を求めました。阪原さんをはじめ、無実を叫び続けた人びとの無念の思いを込めて。