「国旗損壊処罰法案」が24日に衆院内閣委員会で審議入りしました。自民党は同日の同委理事会で26日の採決を提案。日本共産党の畑野君枝議員は質疑で、正当な表現活動を弾圧し、内心の自由を侵害する危険がある明白な違憲立法だと指摘し、廃案を求めました。
(写真)質問する畑野君枝議員=24日、衆院内閣委
畑野氏は、政府が1999年成立の国旗国歌法の審議で、国民に対し新たな義務を課すことは考えていないと答弁していたが「法案は政府答弁を真っ向から覆すものだ」と指摘。法案提出者の鈴木英敬議員(自民党)が、法案は「国旗を大切に思う国民感情を保護するもの」で従前の答弁と齟齬(そご)はないと開き直ったのに対し、畑野氏は「刑罰で特定の価値観への同調を押しつけ、個人の内心に踏み込むことになる」と批判しました。
政府は今回の法案を「萎縮効果を生むものではない」としているが、尊重義務のない国旗国歌法でさえ教育現場で国旗掲揚、国歌斉唱が押しつけられたと告発。「今回の法案は、さらに強い圧力となる」と指摘しました。
国家や体制への特定の批判や意思表示を封じ込め、国旗への敬意を強制することは「思想統制」であり、「憲法19条が保障する『思想、良心の自由』、内心の自由を侵害することは明らかだ」と批判しました。
刑事訴訟法は私人による現行犯逮捕を認めており、同法案は処罰対象も極めて曖昧で、個々の判断で私人逮捕ができてしまうと指摘。思想・信条の異なる市民同士が互いの言動を監視し合う息苦しい社会に変わると警鐘を鳴らしました。
憲法31条が定める罪刑法定主義は、どんな行為が犯罪かを法律で明確に定めなければならないという考え方だと指摘。法案は処罰対象が曖昧で「国旗」の定義も「国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物」に広げ、個人所有の国旗も含んでおり「できる限り広く処罰しようということだ」と追及しました。
鈴木氏は、処罰対象の「損壊」「除去」「汚損」は国旗を引き裂く、掲揚されているのを引き下ろす、方法を問わず不潔にするなどの行為だと説明。畑野氏は「方法を問わず」ということは、手を加えたらすべて犯罪なのかとただし、「何が対象でどんな行為が罪なのか条文からは判断できない」と指摘しました。
同法案が刑罰の対象を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」としていることについて「『不快』『嫌悪』といった感情は主観だ」と指摘。処罰対象の不明確さは「恣意(しい)的な立件や拡大解釈の余地を残し、正当な表現活動までもが不当に弾圧される危険性がある」「刑罰の明確性の原則に反し、罪刑法定主義に反する」と断じました。

