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2026年6月24日

主張

ニセの「政治改革」
企業献金先送り 定数削減狙う

 自民党の裏金事件などをはじめとする政治腐敗に、国民はいまだ不信の目を向けています。ところが、自民党・日本維新の会の与党は企業・団体献金禁止を先送りし、衆院議員の定数削減を強行する構えです。高市早苗首相と維新の吉村洋文代表は定数削減法案について「この国会でやりとげる」と確認しました。

 定数削減法案は、衆院政治改革特別委員会での審議を予定しています。しかし、同委では、16日に与野党がそれぞれ提出した政治資金に関連する法案の実質審議が始まったばかりです。このため与党は、政治資金関連法案を早々に採決し、民意切り捨ての定数削減の審議に突き進もうとしています。しかし、問題をすり替えて、数の力で強行することなど許されません。

■選挙公約を棚上げ

 そもそも自民・維新が今国会に提出した法案は、企業・団体献金のあり方などの議論を有識者による第三者機関に丸投げするもので、狙いは企業・団体献金禁止の棚上げです。

 維新は「企業・団体献金の禁止」を選挙で公約していました。ところが、昨年、自民と連立を組むために、政策的隔たりを隠そうとあっさりと企業・団体献金禁止の主張を棚上げ、代わって定数削減を強硬にいいだしました。「改革」ポーズを取り繕うための論点そらしにすぎません。

 一方、中道改革連合(立憲民主党と公明党の衆院議員で結成)と国民民主党が出した法案は、企業・団体献金の受け皿を限定するというもの。企業・団体献金は温存されることになります。

 立民は、かつては「企業・団体献金の禁止」を主張していました。しかし、26年間、政権与党として自民を支えてきた公明の考え方を取り入れる方向へと妥協しました。

 結局、自民・維新案も、中道・国民民主案も、企業・団体献金の禁止に踏み込んでいない点では同じです。これでは政治腐敗の根絶を願う国民の思いに応えることはできません。

■全面禁止こそ必要

 一方、自民と維新が「政治改革」の名で強行しようとしているのが衆院議員の定数削減です。法施行後1年以内に議員定数の結論が出なかった場合、自動的に比例定数を45議席減らす法案を今国会に提出しようとしています。

 維新の吉村代表は定数削減法案について参院で否決された場合、衆院の「3分の2」の賛成で再可決する可能性にまで言及しています。

 しかし、「政治改革」の最優先課題は、企業・団体献金の禁止にあります。1993年に発足した細川護熙(もりひろ)政権は「企業・団体献金については、廃止の方向に踏み切る」(同年8月23日の所信表明)と主張しました。94年成立の「政治改革」関連法で、政党支部への献金、政治資金パーティー券の購入という二つの抜け道がつくられたことで、政治腐敗が繰り返されることになります。

 いま「政治改革」をいうなら、この抜け道をふさぎ、企業・団体献金を全面禁止することこそ必要です。定数削減というニセの「政治改革」はただちにやめるべきです。