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2026年6月22日

主張

LGBT基本計画
逆行許さず真の平等法実現を

 LGBT理解増進法施行から3年が経過した16日、同法にもとづく初の「基本計画」が閣議決定されました。その内容は国民の「理解増進」を促進する実効性に乏しく、当事者団体からも厳しい批判の声が上がっています。

■保守派による後退

 「基本計画」は、関係省庁の連絡会議がつくった「たたき台」をもとに作成されたものですが、議事録もなければ「たたき台」そのものも非公開です。当事者抜き、パブリックコメントなし、国民不在の「基本計画」と言わざるをえません。

 自民党は法制定時に、「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性を守る議員連盟(女性を守る議連)」(共同代表・片山さつき、山谷えり子両参院議員)を設立し、超党派議連提案の「差別は許されない」との文言を「不当な差別はあってはならない」に、「性自認」を「性同一性」にあえて置き換えるなど重大な後退をさせました。

 「性同一性」は「性同一性障害」のように医学分野で使われてきたもので、すでに世界保健機関(WHO)は、出生時に割り当てられた性別と自己認識する性別の不一致を「病気」や「障害」と見なさないことを明確にしています。

 さらに、日本維新の会と国民民主党が採決直前、「すべての国民が安心して生活することができるよう留意」を加える修正を行いました。トランスジェンダーの人が国民の安心を脅かすかのような意味が込められたもので、日本共産党などは「差別を助長する」として反対しました。差別の禁止どころか、理解の増進を阻む危険性がある法律としてスタートしたのです。

 法施行から3年の空白の後、基本計画の「たたき台」は自民党の部会でいったん承認されましたが、「女性を守る議連」が巻き返し、「正確な知識」を「必要な知識」にするなどの修正を加えたと報じられています。

 さらに同議連は、「女性専用スペースで女性の安全と安心を確保する法案」の提出を狙っています。性的少数者の権利を守ることが、多数者の安心を脅かすという認識そのものが差別を助長するものにほかなりません。

■世論も司法も変化

 当事者が声を上げ世論も司法も大きく変化しています。同性婚訴訟では、地裁でも高裁でも「同性婚を認めないことは憲法違反」との判決が続き、最高裁は今年度中にも統一判断を示すと見られます。

 性同一性障害特例法でも性別変更を認める要件のうち、生殖能力をなくす手術要件を最高裁は憲法違反とし、性器の外観を似せる手術要件についても広島高裁の違憲の疑いとの判決が確定しています。

 性の多様性と差別のない社会をめざすレインボーパレードに日本でも今年1万5千人が参加し4年前の7・5倍の規模になっています。国民意識の変化も急速に進んでいます。今年の電通の調査では同性婚の法制化に67%が賛成、学校での性の多様性教育に81%が必要と答えています。

 遅れているのは必要な法整備です。真のLGBT平等法=差別禁止法を実現することが求められています。