老画家が、芸術は自然の魂と生命を表現することだと語りました。人の手を鋳型を取るように写しとるだけでは生き生きと迫ってこないと▼しかし、この老画家は10年かけて描いた女性の絵が周りに理解されず、絵を焼き払い死んでしまう。バルザックの『知られざる傑作』の物語です▼この短編についてマルクスは『資本論』第1部を書き上げた直後、盟友エンゲルスへの手紙で「皮肉に満ちている」と一読をすすめます。『資本論』とどんな関係があるのか、不思議に思っていました▼ハートマン米州立大学教授が自著『マルクス・イン・アメリカ』でこの謎を解いています。いわく「マルクス自身、『資本論』が忘れ去られることを半ば予想していた」。老画家が何年も労力を注いだ傑作は他の芸術家から「理解不能」とされた。『資本論』完成に20年の歳月を費やしたマルクスは、画家の傑作と自身の『資本論』を重ねたのだと▼「しかしマルクスの傑作は忘却に沈む運命ではなかった」とハートマン教授は断言します。資本主義の害悪が若者たちをマルクスに引き寄せている。それは資本主義の根本にこれほど深く迫った著書は他にないから▼ニューヨークでは若者たちが社会主義者を市長に押し上げました。日本でも、秋田の小さな『資本論』学習会に突然2人の学生が現れたと本紙党活動の記事に。戦争と平和、貧困と格差の時代、「若き反逆者たちがマルクスを発見」しています。
2026年6月22日

