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2026年6月21日

「交通空白」国土の3割

2740地区 昨年から700増
車社会化・東京一極集中…国策が国民の「交通権」侵す

 国土交通省はこのほど、「交通空白」地区が2740にのぼっていることを明らかにしました。昨年から683地区増加。同省は、集中対策期間(2025~27年度)を定め、「交通空白」解消本部(本部長=金子恭之国交相)をすでに設置しましたが、国民の「交通権」に基づく根本的な解決が求められます。(遠藤誠二)


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(写真)JR東日本が来年春に一部区間廃止を予定している久留里線の久留里駅(千葉県君津市)。同社が18年間の代替バス予算を負担しますが、将来的には「交通空白」地域になる恐れも

 「交通空白」について国交省は、▽鉄道駅から500メートル圏内だが列車本数が極めて少なく、「生活の足」としては使い勝手が悪い▽最寄りのバス停から300メートル圏内だが坂道が多く高齢者は移動しづらく、タクシーは一定時間内に配車されないなどの例を示しており、鉄道・バス路線がないか、あっても利用が不便な地域のこと。国交省の発表(10日)よると、同地区は国土の約3割の11万5737平方キロ、892市区町村に広がり、約1720万人が居住しています。

 「交通空白」地区のうち、対応に着手したのは1274地区、対応方針を決定したのは1124地区、対応検討中は342地区。直ちに対応する必要はないが、有効な対策を講じなければ、将来的に「交通空白」に陥る可能性が高い「要モニタリング地区」が1498地区(3万6411平方キロ、437市区町村、約609万人)にのぼります。全国では運転手不足などに伴うローカル鉄道のサービス低下や路線廃止、バス路線への統合が続くなど「交通空白」拡大に歯止めがかかりません。

 参院で3日成立した改定地域公共交通活性化再生法は(1)自治体主導でスクールバス、病院の送迎車両、公共ライドシェアなどを活用する自動車地域旅客運送サービス再構築事業を創設(2)商工会議所、観光協会、NPO、医療機関を「連携促進団体」として法定協議会に位置付け交通計画への提案権を付与(3)地域交通計画作成に当たり運行経路やダイヤなどのデータ提供を事業者に求め、事業者には応諾義務を課す―ことなどが内容。国交省は「交通空白」解消への取り組み方針を発表し、同法の推進と自動運転の活用などをうたいましたが、十分な効果がえられるのかは疑問です。

 「交通空白」拡大はモータリゼーションや東京一極集中など国の施策が招いたもの。鉄道ネットワーク維持やバス事業者、自治体への直接支援など、目前の喫緊の課題に国が積極的に取り組むべきです。