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2026年6月20日

主張

米イラン覚書署名
無法な攻撃再びしない保証を

 米・イラン両国が戦闘の即時・恒久停止を含む覚書に署名し発効しました。米国とイスラエルの先制攻撃で始まった戦争がようやく停止することになりました。国連憲章を踏みにじった無法の破綻です。覚書の内容を確実に履行する必要があります。

■破綻した敵視政策

 イランの核開発など、トランプ大統領が攻撃の理由にあげた懸案は、最終合意に向けた交渉で話し合われます。武力でイランを屈服させることはできず、外交交渉に立ち戻るしかありませんでした。

 開戦当初、トランプ大統領はイランの体制転覆を呼びかけました。しかし覚書には「主権・領土の相互尊重と内政不干渉」が明記されました。1979年にイランの現体制が樹立されて以来、歴代米政権が続けてきた敵視政策が通用しなくなりました。

 覚書は、対イラン制裁の全面解除に取り組むことに言及しました。

 覚書は、イランが核兵器を開発しないことを確認しましたが、もともとイランは核兵器を持つ意思がないと表明しています。未申告の核開発が問題になった後、欧米諸国などと結んだ2015年の合意で、イランは核兵器をつくらないことを改めて宣言し、ウラン濃縮などの制限と検証を受け入れていました。

 合意から一方的に離脱したのは第1次トランプ政権です。覚書では、イランの核計画は、最終合意が定める枠組みの中で協議されます。トランプ政権は、放棄した交渉のテーブルに戻らざるをえなくなりました。

 ホルムズ海峡の開放も戦争前の状態の回復です。

 戦争による犠牲はあまりに甚大です。イラン政府によると、無差別攻撃による死者は約3500人にのぼります。

 戦争は周辺国に拡大し、イスラエルのレバノン攻撃による死者は4000人近くと言われます。ホルムズ海峡封鎖は世界経済に大打撃を与え、物価高騰や石油由来製品の不足は今後も続く見込みです。

 トランプ大統領は、戦争によって得られる物など何もないことを知るべきです。

■武力の威嚇やめよ

 トランプ大統領がなおも「私が気に入らなければ再び爆弾を落とす」と威嚇したことは重大です。最終合意に向けた交渉を進めるために、米国は二度とイランを攻撃しないことを保証すべきです。

 イスラエルはレバノンに対する攻撃をやめません。イスラエルの軍事力を支えているのは米国です。トランプ政権はイスラエルの攻撃停止に責任を果たすべきです。

 トランプ政権は内外で孤立を深めました。国連人権理事会など国際社会で「国連憲章違反」と批判が上がりました。スペインが国内基地の使用を拒否したほか、NATO(北大西洋条約機構)の欧州諸国はイラン攻撃に参加しませんでした。

 高市早苗首相は、米国のイラン攻撃について「法的評価は控える」という情けない態度に終始しました。米国に対する卑屈な外交姿勢はやめるべきです。もはや米一国、米大統領一人に支配されるような世界ではないことを考えるべきです。