25年度
2025年度の自衛官の現員が21万7701人と、1981年度以降で初めて22万人を割ったことが防衛省資料から判明しました。定員(約24万7000人)に対する充足率は88・1%と前年度より1ポイント減少し、少なくとも98年度以降で最低となりました。自衛隊の人的基盤は危機的な状況にあります。
2020年度は現員が約23万2500人でしたが、5年間で約1・5万人減少。定員より約3万人も不足しています。長射程ミサイルなど新兵器の相次ぐ配備や共同訓練の激化などで仕事量も増えており、現場はひっ迫しています。小泉進次郎防衛相は16日の会見で、自衛官らの採用人数が3年ぶりに1万人を超え、処遇改善などが「一定の効果をあげた」と誇りましたが、現員の減少には触れていません。
若い自衛官の不足が深刻です。若い自衛官が多くを占め最前線で活動する「士」の充足率は57・8%(前年度比約3ポイント減)と6割を切りました。部隊の中核となる「曹」も97・5%(同約1ポイント減)でした。
現員が減少している最大の要因は中途退職者の急増です。防衛省資料によれば、21年度から3年連続で過去最多を更新。「1万人採用しても、その半分に相当する数が中途退職している」、「(入隊から)5年以内で退職するケースが約5割」と指摘しています。
現場を支える実動部隊の中核となる「自衛官候補生」と「一般曹候補生」の採用者は25年度で9266人と前年度より約1310人増加。一方、応募者は3万9472人と前年度より約1330人の微増にとどまり、過去10年間で2番目に少なくなっています。
政府は、応募減の要因に少子化を挙げますが、集団的自衛権の行使を容認する安保法制の制定(15年)や、敵基地攻撃能力の保有を盛り込んだ安保3文書の改定(22年)以降、応募者が減っており、「戦争国家」づくりが大きな要因となっています。22年の元自衛官による性被害の告発をきっかけに、ハラスメントが横行する実態が露呈したことも影響しているとみられます。

