「大成功に終わった」とメディアが持ち上げた大阪・関西万博。その裏で閉幕から8カ月たっても、下請けの建設業者への工事代未払いが解決されていません。「被害者の会」の集計では、被害を受けた中小の業者は30社以上、未払い金は10億円を超します。
被害者の会は、「開幕に間に合わないと懇願され、昼夜をいとわず働いたのに、連鎖倒産、家族を含めた命の危機にある」と訴え、日本国際博覧会協会(万博協会)、国、大阪府に▽未払い代金の立て替え払い▽長期返済の無利子融資の緊急実施―を求めています。
万博は、首相が博覧会推進本部長を務め、国・自治体・経済界が設立した万博協会が準備・運営を担いました。大阪府が積極的に誘致し、吉村洋文府知事は万博協会副会長です。
■重要事項の不告知
建設業法にもとづく国や自治体の指導・監督責任にとどまらず、建設事業者を募集した当事者として万博協会の法的責任は重大です。
日本共産党の大門実紀史議員は11日の参院内閣委員会で、万博協会が未払い発生のリスクを知りながら、それを説明せずに事業者を募集したと追及しました。経産省は、資金回収リスクを認識していたことを認め、下請け事業者にそれを説明していないことも事実上認めました。
大門議員は「リスクを隠して事業者を募集したのは、契約における重要事項の不告知、不実告知だ。民法第1条の信義誠実義務に違反し、道義的、社会的責任だけでなく、法的責任がある」と厳しく指摘、政府自身が当事者という認識に立って救済措置をとるよう求めました。
軟弱地盤で費用がかさむ夢洲(ゆめしま)を開催地にしたことなどで大手ゼネコンが二の足を踏み、一部の海外パビリオンの建設が2025年4月の開幕に間に合わない見込みとなったのが事の発端です。
■手のひら返す態度
当時、万博協会は建設事業者に協力を強く求め、吉村知事は「中小の建設事業者の協力が非常に重要」と繰り返し要請、懇談の場を設け直接、事業者に働きかけました。経産省も万博参加国と建設業者の調整をするなど、それぞれ必死に事業者探しをしました。
そのなかで、建設業許可がないなど問題ある事業者が元請けや1次下請けに入り込みました。しかも、未払いを起こしている元請け企業の一つは、万博協会が事業者を広く募集し、海外の参加国に提供した事業者リストにあった企業です。
「国の事業」という信頼を盾に要請しておきながら、国、府、万博協会は、被害事業者の訴えに「民間同士の問題」「元請けと下請けが合意して実施されたもの。政府として責任があるとは考えない」と手のひらを返しました。
日本共産党などの国会での追及に、国などは「解決に向け後押しする」「相談体制を整備する」としますが、救済になっていません。
万博協会は、運営収支が370億円の黒字だとします。当事者として責任を果たし、損害賠償や未払い代金の立て替えなど被害者の要求に一刻も早くこたえるべきです。

