【エビアン(フランス東部)=吉本博美】イランと米国の戦闘終結を定めた覚書が、両国の首脳の署名で17日、発効しました。19日にスイスで署名式を行う予定を前倒しし、トランプ米大統領はパリ郊外で、イランのペゼシュキアン大統領はテヘランで署名しました。
トランプ氏脅迫「守らねば爆撃」
それに先立ちトランプ氏は、フランス東部エビアンでの主要7カ国首脳会議(G7サミット)閉幕にあたっての記者会見で、「達成しようとしたことの全てか、それ以上を実現する合意に達した」と自賛しました。
また、イランとの戦争が続いていれば経済的な惨事に至る可能性があったと主張。合意について「現在の紛争を終結させ、ホルムズ海峡を開放し、イランが核兵器を二度と保有できないようにするものだ」と説明しました。
米高官はトランプ氏の会見に合わせて、覚書の全文を記者団に読みあげました。覚書は、▽レバノンを含む全戦線での戦闘停止▽相互の主権と領土保全の尊重、内政不干渉▽ホルムズ海峡の通航を「60日間に限り、通航料なし」で保障するなどの内容。
イランが保有する高濃縮ウランに関しては、国際原子力機関(IAEA)の監視下でイラン国内で希釈するとしています。イランの核活動や対イラン制裁の解除、凍結資産の引き渡しなどは、「最終合意」を目指す60日間の交渉で話し合われます。交渉期間は延長も可能です。
他方、トランプ氏は会見で、イランが合意を順守しない場合は「彼らの頭上にすぐにでも爆弾を投下する」と脅しました。
質疑応答では、米軍の攻撃で児童を含む多数の民間人の犠牲が出たことを問われましたが、「誰も故意にやっていない。戦争は汚いものだ」と開き直りました。イランには平和目的の核開発の権利が認められているとの指摘に対しては、「なぜ核エネルギーが必要なのか。彼らにはすでに(原油)エネルギーがあり、それでもうけている」などと論点をすりかえました。
ホルムズ海峡の開放にかかわる多国間の軍事活動についてトランプ氏は、G7諸国による軍隊派遣の要請は日本を含めて行っていないと明らかにしました。

