沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、防衛省沖縄防衛局は17日、埋め立て区域東側の大浦湾で、新たな区域への土砂投入を開始しました。9月13日投開票の県知事選をにらみ、新基地建設反対の立場を貫く玉城デニー県政に圧力をかける狙いがあります。
新たに土砂投入が開始されたのは米軍キャンプ・シュワブの陸上部に近い埋め立て区域「(3)―4」です。同区域に隣接する「(3)―3」は昨年11月に土砂投入を開始し、現在は完了しています。ただ、両区域は水深が比較的浅く、軟弱地盤が存在していません。
一方、広大な軟弱地盤を巡っては、防衛局は昨年から地盤「改良」に着手していますが、昨年は台風などの気象条件により半年近く工事が中断。今年も5月末から地盤「改良」を行う作業船が撤退するなど、工事は大幅に遅れています。
加えて、「B27」地点には海面下90メートルに達する軟弱地盤が存在しており、現在の技術では施工は不可能です。今回の土砂投入は、実際には完成不可能な基地の建設が進展しているかのように演出するものでしかありません。
「工事の推進ありき」を批判
デニー知事
(写真)記者団の取材に応じる玉城デニー知事=17日、沖縄市
沖縄県の玉城デニー知事は17日、政府・防衛省が米軍普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設を巡り、大浦湾側の新たな埋め立て区域への土砂の投入開始を強行したことを受け、コメントを述べました。県として普天間基地問題の解決に向けて求め続ける対話に政府が応じることなく、新たな土砂の投入を始めた対応を批判し、「工事の推進ありきで進められていることについては、私たちは反対の立場を表明している」と語りました。
沖縄市内で記者団の取材に応じたデニー知事は「工事が承認申請書の内容に沿って行われているかどうかをしっかり注視したい」と強調。沖縄防衛局に工事の進捗(しんちょく)状況などの情報提供を求める考えを示しました。
また、沖縄戦犠牲者の遺骨が混じっているかもしれない沖縄本島南部の土砂が埋め立てに使われることなどに言及。「さまざまな疑義について真摯(しんし)な説明を求めたい。防衛局も国も県民の民意にしっかり応えなければならない」と指摘しました。
その上で辺野古新基地建設は、普天間基地の一日も早い危険性の除去につながらないと繰り返し訴えている立場から、「対話を続けていきたい」と述べました。

