日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年6月18日

「国旗損壊罪」法案 自維国参提出

立法事実なし 人権を侵害

来週審議入り提案

 自民、維新両党は17日、衆院内閣委員会理事会で、「国旗損壊罪」法案の来週の審議入りを提案しました。与党と国民民主、参政両党が16日に国会に提出した同法案は、法制定を必要とする事実(立法事実)も示されず、何が違法なのかも極めてあいまいで、憲法が保障する表現の自由や思想・信条の自由を侵害する重大な危険性があります。

 法案は「人に著しく不快または嫌悪の情を催させる方法」で「公然と国旗を、損壊、除去、汚損」した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すもの。与党は当初案の一部を国民民主、参政両党と個別に協議し修正を行ってきました。

 当初は損壊の様子をSNSなどに事後に投稿する行為も処罰対象としていましたが、自民と国民民主の修正協議でこの規定を削除しました。ライブ配信は処罰対象とします。

 すでに損壊されている「日の丸」を集会でかざす「陳列」行為は、参院選期間中に参政党の街頭演説に抗議する人がバツ印を付けた日の丸を掲げた行為を例に処罰対象としていましたが、批判を受け対象外としました。しかし、付則に施行3年後の見直し規定を置くとしており、「陳列」行為も今後の検討対象となる可能性があります。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「立法事実はないと思うが、百歩譲って受け入れる」と発言。立法の必要性もない法案の提出に協力したことを認めました。立法事実もなく、人権を侵害する国旗損壊罪の導入は許されません。


刑罰で犯罪化あまりに乱暴

札幌弁護士会憲法委員会副委員長 齋藤耕さん

写真

(写真)齋藤耕さん

 国旗損壊罪法案では保護する法益を「国旗を大切に思う国民感情」としていますが、すべての国民が国旗を大切に思っているという前提に立っていいのでしょうか。戦前の日本の侵略戦争で日の丸が使われたことなどで、「国旗に対しいろんな感情を持った人がいる」というのが前提のはずです。にもかかわらず、国家権力の行使である刑罰を使って犯罪化するのは、法律論として乱暴です。

 処罰対象を「著しく不快または嫌悪の情を催(もよお)させる方法・状態」としていますが、不快や嫌悪の感じ方は人それぞれです。「スパイ防止法」の制定が狙われる時に感情によって処罰しようとするのは、政府にとって都合の悪い人物をあぶり出すようなものです。

 現時点で政府がどんなに抑制的だと言っても、法律ができてしまえば暴走する可能性がある。これだけ問題が指摘され、反対の声があがっていることを政府は重く受け止めるべきです。