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2026年6月16日

きょうの潮流

 西暦20XX年6月18日、霧島山北部で破局的噴火が発生、周辺自治体は音信不通に…。石黒耀(あきら)の空想科学小説『死都日本』の話です▼小説では、鹿児島・宮崎両県にまたがる「加久藤(かくとう)カルデラ」が約34万年ぶりに大規模噴火を起こし、高温の火砕流により九州南部は壊滅。東京にも膨大な火山灰が降り積もります▼日本列島は過去に何度も破局的噴火を経験しています。約7300年前の大噴火で九州南部の縄文人を滅ぼした「鬼界カルデラ」(鹿児島県)。今もモクモクと煙をあげる阿蘇山(熊本県)も約9万年前に▼火砕流が直撃する川内原発(鹿児島県)は、噴火を予知した政府が燃料棒を回収し、最悪の事態を回避しましたが、それはあくまで小説の中。実際には、現在の科学で破局的噴火の発生時期を事前に予測できません。仮に核燃料などを運び出したとしても、火砕流も火山灰も来ない安全な移送・貯蔵先がこの火山・地震大国日本のどこにあるのか▼とはいえ、過去の破局的噴火が日本列島に恩恵をもたらしていることも事実です。屈斜路湖、十和田湖、芦ノ湖など、美しいカルデラ湖は貴重な観光資源。箱根や指宿などの有名温泉地は破局的噴火の熱の恵みです▼どうやら私たちは、この異次元の大規模災害の元凶と共存するしかなさそう。不幸にもその災厄が訪れたら、人類の英知を集めて一人でも多くの命を救わなければ。もちろん火山と原発は共存などできませんが…。