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2026年6月13日

きょうの潮流

 この国のアジア外交の礎となるものでした。「本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である」。従軍慰安婦について日本政府が旧日本軍の関与を認め、謝罪と反省を公にした「河野談話」です▼こと戦争と植民地支配の問題にあっては、日本側がまず謙虚な姿勢で臨んでいくべき。そう語り、近隣の国々との友好に尽くしてきた河野洋平氏が亡くなりました。韓国や中国の政府は「談話」への評価とともに深い哀悼の意を示しています▼政治家として最も大事にしてきたという憲法の平和主義と、人間の生命。そこには焼夷(しょうい)弾が降る中を逃げ回り、防空壕(ごう)にとびこんだ戦争体験の痛切な思いも込められています▼一貫した姿勢は時に身内への批判にもなって。台湾有事をめぐる発言で日中関係を悪化させている高市政権や専守防衛をふみ外す自民党政治に苦言を呈してきました▼今年4月に開かれた村山富市元首相のお別れの会ではこんな式辞を。「大国が次々と戦争に手を染め、歯止めのない核軍拡が進み、時代は、力による正義とかいういかがわしい言葉がまかり通る帝国の世に逆戻りしたような感じです」▼国内でも困窮する人々の生活が置き去りにされ、政治とカネの宿弊から逃れられない旧態依然とした政治が頭をもたげ続けていると。保守政治家として貫いてきた信念。それは侵略戦争を美化し、劣化していく自民党の姿をあぶり出しています。