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2026年6月12日

主張

衆院比例定数削減
独裁化を招く高市首相の強権

 国会の会期末(7月17日)まで1カ月余りとなるなか、衆院議員定数(465)削減の動きが焦点化しています。中東情勢の悪化を受けて、国民生活は苦しさを増しています。しかし、高市早苗自維政権は、目の前の危機に目を向けず、選挙制度を多数党に有利に変えることに政治的エネルギーを費やす構えです。

■協議会では反対論

 自民党は衆院議員定数の1割削減に関する法案を了承しました。衆院各会派で構成する選挙制度協議会で議論し、法施行から1年以内に結論が出なかった場合、比例代表定数を自動的に45削減するとしています。高市首相(自民党総裁)が削減の対象を比例の45議席とする方向で調整するよう指示したことを受けたものです。

 自民と日本維新の会が昨年の臨時国会に提出した衆院議員定数「自動削減」法案(衆院解散で廃案)は「小選挙区25、比例20」を減らすとしていました。それを今回、「比例のみ45」と変えようとしています。維新の比例削減の主張を連立強化のために丸のみする党利党略です。

 1人しか当選しない小選挙区は大量の死に票を生み出します。民意を議席に正確に反映する比例定数のみを削減すれば、民意がさらに切り捨てられます。もともと、日本の衆院議員は諸外国と比べて多いわけではなく、定数削減自体に道理がありません。

 衆院選挙制度協議会では、聞き取りをした地方3団体の代表からも「大切な国会議員というパイプを安易に減らしていいのか」(全国知事会の平井伸治副会長=鳥取県知事)、「定数削減は地方の切り捨てになる」(全国町村会の星学副会長=福島県下郷町長)などの意見が出されました。協議会に出席した有識者も「日本はすでに議員が少ない。議員を減らせば、われわれが国政に意見を伝える機会が減ってしまう」(竹中治堅政策研究大学院大教授)と述べています。

■許されぬごり押し

 選挙制度についての各党の考えもバラバラです。

 中道改革連合は「小選挙区比例代表連用制」を提案。「小選挙区で多数の議席を獲得した政党については比例代表での議席配分を抑制する」としています。国民民主党は有権者が複数の候補に投票できるとする「中選挙区連記制」を提起。参政党は全国11ブロックごとの完全比例代表制を提案しています。

 日本共産党は全国11ブロックを基礎とした比例代表制にすることを提案しています。

 民主主義の土台となる選挙制度は全会派で十分な議論を行い、国民の合意をえなければなりません。協議会で議論がまとまらないにもかかわらず、一部の政党が多数の力で決めることは許されません。

 維新との連立を優先させて、選挙制度をもてあそび、比例削減をごり押しする高市自維政権に対し、野党は反対の構えです。自民の一部からも「野党との信頼関係上好ましくない」との慎重論があがっています。

 国民的な運動で自民、維新を包囲し、危険な「独裁政治」へと向かう策動を阻止することが必要です。