日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2026年6月11日

きょうの潮流

 びっしりつまった黄色い粒。噛(か)んだ瞬間、口いっぱいに広がる甘み…。いよいよトウモロコシのシーズン、初夏を告げる味覚の一つです。札幌・大通公園名物「トウキビ」の1人で食べきれないほどの太さと大きさには目を見張りました▼トウモロコシの栽培が始まったのは9000年前、メキシコでのこと。もととなった野生種には6~10個の小さく硬い粒がついているだけでした。人々が数千年にわたって選抜を繰り返し、今のような姿に。米、麦など四大穀物の筆頭として世界の食を支えています▼トウモロコシが生まれた地域では、太陽と月の観測から暦をつくって農耕をおこない、独自の文字を発達させたマヤ文明が栄えました。マヤ文明を研究している青山和夫・茨城大学教授たちは2017年、メキシコ南東部で南北1400メートル、東西400メートル、高さ15メートルの巨大基壇を発見しました▼建設が始まったのは紀元前1100年ごろ。マヤ文明最古最大の公共祭祀(さいし)用の建造物です。このころマヤ地域でトウモロコシが主食として定着しました。これがマヤ文明の成立に重要な役割を果たした、と青山教授は指摘します▼太陽を観測する施設がある巨大基壇は、周辺の人々が自発的につくったと考えられています。農民たちは豊作をもたらしてくれる太陽に感謝しようと集まったのでしょうか▼トウモロコシにかぶりつく時、そんなマヤ文明の歴史に思いをはせてみるのも味わいの一つかも。