(写真)皇位継承全体会議に出席する(左から)小池晃書記局長、田村智子委員長=10日、衆院議長公邸
衆参両院の正副議長は10日、皇位継承のあり方に関する全体会議を衆院議長公邸で開き、皇族数の確保に関する「立法府の総意」について、反対意見を無視して強引にとりまとめました。「とりまとめ」は(1)女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する(2)戦後に皇籍を離れた旧宮家の男系男子を皇族の養子に迎えることを「了」とし、政府に法制化を要請するとしています。日本共産党からは田村智子委員長と小池晃書記局長が出席し、小池氏は「前回示された『とりまとめ(案)』について、反対や慎重を表明する会派が存在しており、『立法府の総意』とすることは許されない」と厳しく批判しました。
会議の冒頭、森英介衆院議長は前回会議後の記者会見で(2)について、養子本人は皇位継承資格を持たないが、養子に「男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる」との見解を表明したことについて、「現行法の解釈を述べた」などと釈明しました。
小池氏は、現行の皇室典範は「養子をすることができない」としており、森議長の釈明は容認できないと批判。前回会議で小池氏が「今回の養子縁組制度は、皇族となった養子の子孫に皇位継承資格を持たせようとする議論と一体のもので看過できない」と述べたことを議長自身が認めたことになると指摘しました。また、森議長が前回会議のまとめの発言で(1)について、政府の有識者会議が2021年の報告書で「配偶者と子は皇族の身分を有しないことが考えられる」としていることに言及し、「それを含めて了とする」と語ったことに対しても、「『とりまとめ(案)』では触れられていなかったものだ」と批判しました。
さらに小池氏は、そもそも全体会議は皇位継承の問題とは切り離して皇族数の確保について議論することを前提としてきたと強調。森議長の発言は「協議の前提を覆すものであり、会議を主宰する議長としての職責を逸脱するものだ」と断じました。そして、「皇族数の確保策と言いながら実際は、養子の子に皇位継承資格を与えて男系男子による永続的な継承に道筋をつけ、女性・女系天皇の道を閉ざそうという本音を露呈したものにほかならない」と指摘し、男系男子による継承を「不動の原則」とする立場に基づいており、憲法上大きな問題があると批判しました。
小池氏は、天皇は「国民統合の象徴」であるとする憲法に照らせば、多様な性を持つ国民の統合の象徴を男性に限定する合理的理由はないとし、国民の多数が求める女性天皇の問題を正面から議論することを求めました。「天皇を男性に限定している現状をただすことは、国民の中でのジェンダー平等を発展させるうえでも意義ある改革になる」と主張しました。
さらに小池氏は「『立法府の総意』というが、国会は主権者国民の代表であり、国民の声を聞くことなしに、立法府の総意をまとめることはできない」と主張。有識者や憲法学者らからの意見聴取や国民の声を聞くパブリックコメントの実施を提案し、「広く国民的な議論を行い、国民の総意を形成する努力をすることこそ国会の責務だ」と強調しました。

