(ICAN報告書から作成)
米国やロシアなど核保有9カ国が2025年に核兵器の開発や維持のために支出した総額が、前年比19%増の約1190億ドル(約19兆1000億円)だったことが明らかになりました。1190億ドルは1秒間に換算すると、3768ドル(約60万4000円)です。国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が8日に発表した年次報告書で指摘しました。
核保有9カ国すべてが前年比で支出を増やしました。支出額が最も多かったのは米国で、前年比22%増の692億ドルでした。2番目に中国の135億ドル(同7%増)、3番目に英国の126億ドル(同17%増)が続いています。
米国が昨年核兵器のために費やした金額だけで、国連の年間予算の19倍以上にあたります。
報告書によると、9カ国が核兵器に費やした年額の1分間分があれば、3478人に清潔な水や衛生設備を提供することができました。同じく1日分あれば200万人を食料不安から救うことができ、1週間分あれば120億人以上をはしか、おたふくかぜ、風疹から保護することができました。
報告書は「核兵器への支出は今日の危険な情勢をさらに深刻化させている」と指摘。米国のイラン侵略、ロシアのウクライナ侵略など核保有国が戦争を起こしていることを批判しました。
報告書の共著者のスージー・スナイダー氏は「生活費が急激に高くなり、食費や燃料費を払えない人も多くいるなか、核保有9カ国が誤った安全保障のために多額の費用を支出していることは信じられない」と強調しました。

