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2026年6月9日

皇位継承とりまとめ案

男系男子が「不動の原則」 憲法上重大な問題

 衆参両院の正副議長が8日の「皇位継承全体会議」に示した「議論のとりまとめ(案)」は、天皇は男系男子によって継承されるべきということが「不動の原則」となっており、憲法上重大な問題があります。

 日本共産党の小池晃書記局長は同会議で、憲法の規定に照らせば「多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はどこにもない」と指摘。「女性だから天皇になれないというのは、男女平等を掲げる憲法の精神に反している」と強調し、憲法制定時の議論を紹介しました。

 憲法第2条は、皇位を世襲のものとしていますが、「世襲」は女性を排除するものではないというのが憲法制定時の政府見解です。

 1946年7月の憲法制定議会で金森徳次郎国務大臣は、大日本帝国憲法の「皇男子孫」という文言を憲法第2条ではなぜ削除したのかとの質問に、根本的な支障がない限り男女の差別を置かないというのが憲法の考え方だと答弁。2条についても「男女の区別につきましては、法律問題として自由に考えてよろしいという立場」だと答弁しています。小池氏は「憲法の成り立ちを無視し、『男系男子』継承を不動の原則とした議論は、憲法の精神に反するものだと言わざるを得ない」と強調しました。

 「とりまとめ(案)」で「了とする」とされた第1案=「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することとする」案は、女性天皇を認めないにもかかわらず、女性皇族を婚姻後も本人の意思にかかわらず皇室にとどめます。皇族数確保のために女性皇族の自己決定権や幸福追求権を過度に制約することは許されません。

 第2案=「皇族には認められていない養子縁組を可能にし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」案は、2005年の有識者会議の報告書が否定したもの。同報告書は「国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難である」としています。一般国民として生まれ育った人を特別な身分の皇族にすることは、「門地による差別」を否定する憲法14条1項に抵触します。

 さらに、養子縁組制度の案が、養子として皇族となった人の子孫に皇位継承資格を持たせようとする議論と一体のものであることも重大です。小池氏は、宮内庁で研究職を務めた鹿内浩胤(しかない・ひろたね)氏が、「皇位継承の『客観性』が保てるのかということ。明治の旧皇室典範が養子を禁じたのは、養子が政治的に利用され、皇位継承などでの混乱を招いた苦い歴史への深い反省に基づいています」と指摘していたと紹介。「ましてや日本国憲法のもとで国民の総意に基づく象徴である天皇の制度が、政治的に利用されるようなことを許してはならない」と主張しました。