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2026年6月9日

主張

3度目の「都構想」
大阪市の存続で暮らし応援を

 大阪府・大阪市両議会で、それぞれ維新の会などの賛成多数により、大阪「都構想」の制度案をつくる法定協議会設置が強行可決されました。大阪市を廃止し特別区に分割再編する都構想は、2015年と20年の住民投票で2度も否決され決着済みです。

 にもかかわらず、3度目の住民投票を迫ることには道理も大義もありません。民意無視の無謀な「都構想」を許さず、政治を変える共同のたたかいが求められています。

■巨大開発をねらう

 「都構想」の目的は、政令市・大阪市を廃止して財源と権限を「大阪都」(府)が握り、「1人の指揮官」(橋下徹元維新代表の発言)のもとでカジノや湾岸開発、高速道路など不要不急の巨大開発を進め、規制緩和などと合わせて大企業・財界のもうけを応援することです。横山英幸市長が「都心部の開発と投資を呼び込む」と明かす通りです。

 新たな「特別区」は市町村よりも税収がほぼ半減し、都市計画の権限もないなど“半人前”の自治体となり、公共サービスを維持・拡充していくことが困難になります。

 東京都の23特別区が、都に対し権限や財源の拡充を求めているときに、政令市を特別区に格下げすることは地方自治に対する逆行です。

 維新は今回、「副首都大阪には大阪都がふさわしい」などと「副首都」の認定を持ち出して「都構想」を押し付けようとしています。しかし、与党の副首都法案で「都構想」は必須要件ではなく、大阪市を廃止しなくても府県と政令市が連携協約を結べば認定される方向です。

 府・市議会で「都構想」実現を待たずに、府市が連携協約を結んで副首都の申請を進めるよう求める付帯決議が維新提案で可決されたことをみても「都構想」は不要です。

 そもそも「副首都」構想は、1990年代から持ち出され莫大(ばくだい)なコストと非効率性が明らかとなり頓挫した「首都移転」構想を新たな装いでやろうというものです。しかし、中央省庁などは災害対策がすでに行われ、防災の名で副首都までつくる必要性も国民合意もありません。

■深刻な矛盾・批判

 副首都では「経済成長の牽引(けんいん)」の名で大型開発や規制緩和など大企業のもうけを支援する計画です。賃金が上がらない政治を続けながら経済成長できるわけはなく大企業のための副首都は不要です。

 維新などは「都構想」の具体案の策定を進める考えですが、大阪市の存続・市政の発展を願う市民との矛盾は避けられません。

 維新市議団が全24の行政区で住民説明会を開かざるをえなくなり、国政転身をねらっていた吉村知事が、動揺する市議団の合意を得るため来春の知事選出馬表明に追い込まれたことはその表れです。

 市民が原油・物価高で苦しんでいるときに「制度いじり」に明け暮れることにも批判が強まっています。

 住民投票になっても、大阪市の存続・発展、住民の暮らしと営業を応援する政治を求める多くの府民・市民と共同して、「都構想」阻止、政治の転換を求めるたたかいをいっそう広げるときです。