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2026年6月8日

主張

発達障害の診療
現場の声反映 報酬減額を改善

 発達障害当事者・家族や医療現場の声と日本共産党などの国会論戦で、危ぶまれた事態の改善が図られました。

 「このままでは、発達障害を診る医師が減ってしまう」―日本共産党の辰巳孝太郎議員は、2026年度の診療報酬改定について5月13日の衆院厚生労働委員会で厚労省をただしました。

■4割減で経営困難

 6月からの診療報酬改定で、精神保健指定医でない医師が診療した場合、限られた例外を除き、通院・在宅精神療法(精神科を診療科目に掲げる医療機関での外来診療)の報酬が4割も減額されることになっていました。精神保健指定医とは、患者の強制入院や身体拘束などの行動制限の必要性を判定し実施する法的な権限を持つ医師です。

 児童精神科や専門知識を持つ小児科などの医師も子どもの発達障害の診療にあたっていますが、必要性がないことなどから指定医でない医師が多くいます。厚労省は、非指定医の診療報酬を減額する理由を、質の高い精神医療を評価するためとしました。

 これに対し、精神医療の現場から「実際の診療能力と評価が一致していない」「この資格の有無を大幅な減額の基準にするのは不合理」「経営困難から閉院する診療所がでる」との声が上がり、診療体制の崩壊や患者の受診機会の減少が懸念されました。

 辰巳議員はこうした声を国会で突きつけ、診療所が減れば、発達障害の早期発見や、発達が気になる子どもの初診待ちの長期化解消という国や自治体の方針にも逆行すると追及しました。

 厚労省の資料によれば、発達障害の初診待機期間は19年の調査で平均2・6カ月、最大4年6カ月もありました。国は解消に取り組むとし、19年度から都道府県の取り組みを後押ししていますが、大阪府の調査では24年時点で平均2カ月以上(8・8週間)、最長1年の待機期間があり、課題は解消していません。

 「発達障害の子どもが診療を受けられないことのない対応を」という辰巳議員の要求に、厚労省は「必要に応じて適切に対応したい」と答弁。5月29日、一定の要件付きながら、子ども(20歳未満)や子ども時代から継続して診ている人の診療は診療報酬の減額対象にしないという事務連絡を出しました。

■残る課題の解決を

 発達障害などで受診する子どもは増えており、いくつもの課題があります。

 専門的知識を持っていても精神科の看板を掲げていない小児科や心療内科の医師などの場合は、小児特定疾患カウンセリング料という報酬が算定されます。

 しかし、初診から最長4年という限定があり、3歳児健診をきっかけに受診したとすれば7歳までしか診療報酬がつかず長くかかわれません。

 この報酬は、保護者だけのカウンセリングにも算定されません。厚労省の委託研究では、医師、保護者とも保護者単独のカウンセリングの重要性を感じており、診療報酬への反映が求められます。

 日本共産党は今後も、適切な支援が受けられる医療体制の整備に力を尽くします。