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2026年6月6日

主張

キューバ燃料封鎖
米は命と人権奪う無法やめよ

 中米カリブ海のキューバが米トランプ政権による燃料封鎖で危機的状態に陥っています。一国のエネルギー供給を全面的に遮断する行為は、ジュネーブ条約が戦争犯罪として禁じた集団的懲罰です。断じて許されません。

■国連憲章に反する

 キューバは米フロリダ州から約150キロの近さにあり、人口は約1100万人と、同州の半分くらいです。米国支配の軍事政権が国民の闘いで倒された1959年以来、米国による経済封鎖を受けてきました。国連憲章、国際法に反する主権侵害です。

 キューバは石油の6割をベネズエラから輸入していましたが、1月の米国によるベネズエラ侵略後、同国からの輸入がなくなりました。さらにトランプ大統領がキューバに石油を販売する国への追加関税に署名したことから、他国からの供給も止まり、現在1滴の石油も入ってきません。

 長年、経済封鎖と闘ってきたキューバ国民は、さらに深刻な燃料不足で命の危険にさらされています。国連人権理事会の専門家は、食料、教育、医療、水、衛生が欠乏し、「広範な人権侵害」が起きていると燃料封鎖を非難する共同声明を発表しました。

 電力不足のため、手術を受けられずに待機している患者は9万6千人以上にのぼり、うち1万1千人が子どもだといいます。半年前、1千人あたり4人だった乳児死亡率は現在9人に悪化しています。

 トランプ大統領はキューバを「管理下に置く」などと、「体制転換」を狙った脅しをかけています。5月には空母打撃群(艦隊)をカリブ海域に派遣し、軍事的威嚇も強めました。4日には米政府がディアスカネル大統領らを制裁対象に指定しました。

 米国は戦後、グレナダ、パナマを直接、侵略したほか、米国からの自立をめざす中南米諸国に介入して政権転覆を図ってきました。1月にはベネズエラを侵略し、マドゥロ大統領を米国に拉致して裁判にかけています。他国に侵攻して指導者を拉致するなど、いかなる理由があっても許されません。

 キューバに対しても、ラウル・カストロ元国家評議会議長を米国内で起訴しました。国防相在任中の30年前、「殺人共謀罪」を犯したとしています。国連人権理事会の別の専門家は2日に発表した声明で「国内司法手続きの悪用」であり、「主権平等と自決権の原則に反する」と批判しました。

■日本は解除要求を

 ブラジル、スペイン、メキシコ3カ国首脳は4月18日に共同声明を発表し、キューバ問題で国連憲章の原則に沿った外交解決を呼びかけました。ブラジルのルラ大統領は、キューバ経済封鎖の解除を米国に求めました。

 国連総会では、米国によるキューバ経済封鎖終了を求める決議が1992年以来、圧倒的賛成多数で毎年採択されています。日本も97年以降賛成しています。

 日本政府はキューバに太陽光パネル整備費の支援を決定しています。キューバ国民を苦しめている原因は燃料封鎖、経済封鎖です。米国に解除を求めるべきです。