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2026年6月5日

主張

首相の取材対応
国民の知る権利奪う質問制限

 高市早苗首相の取材対応が問題になっています。官邸の記者会見で「会見の質問制限」について質問を受けるという異例の事態まで起きています。記者会見で十分なやりとりが保障されるというのは、民主主義を支える柱のひとつです。国民の知る権利をないがしろにする高市首相の姿勢が問われています。

■異常ではないかと

 木原稔官房長官の記者会見で5月29日、海外メディアの記者が「最近の首相会見は人数も限られ、事実上の質問制限があった」「高市首相になってから海外メディアに答えたことはないと思うが、異常ではないか」と質問。木原長官は「会見は節目、節目におこなっている。ただ外交日程など非常にタイトになっている」などと答えました。

 さらに別の記者が「この前の会見では幹事社が全社で1問と言われている、と言っていた。高市首相は質問制限をかなりおこない、国民の知る権利を侵害しているのではないか」と問いただしました。

 実際、補正予算の編成を明らかにした5月25日の首相会見では記者の質問は1問のみ。冒頭、「質問は全社で1度ということですので、幹事社からまとめてお聞きします」とのべてから質問しています。

 補正予算は、もともと野党がイラン攻撃に起因する国民生活の困難を訴え、編成を求めていたものです。高市首相は必要ないと拒否し続けてきました。その方針を急転したわけで、補正予算に関連して問いただすべきことは多くありました。

 しかし質問制限された会見は、高市首相の一方的な説明が大半をしめる、画像も使った「広報劇場」となりました。

 2026年度予算が成立した日の会見も記者の質問は代表の1人のみ。記者が質問の最後に取材対応が歴代政権よりも減少していると指摘、「国民の知る権利にも影響することだが、どう認識しているか」と問いかけています。

 高市首相は「報道機関は、主権者の国民の知る権利を保障する重要な役割を担っている」とのべる一方、「SNSなど必要な情報を伝える方法も多様化してきている」と弁明しました。

 実際、高市首相はSNSを重視しています。首相個人だけでなく、官邸、内閣広報室がXアカウントを運用、連日発信しています。問題は、質問を受ける場を避けながら、もっぱら一方的な発信手段として活用していることです。

 高市首相の、やりとりを避ける姿勢は、国会でも指摘されてきたことです。首相出席の審議を減らし、野党の質問時間も減らし、質問者が首相に答弁を求めても、他の閣僚を答弁に立たせるという運営が常態化しました。

■十分な説明尽くせ

 高市首相の「国論を二分する政策」の強引な推進と、国民の知る権利を奪いながら一方的に発信する政治手法は一体のものです。こんな危険な手法を許してはなりません。国会質疑でも記者会見でも質問に正面から向き合い、十分な説明を尽くすのが、民主主義国の首相としての最低限の、しかしとても重要な責任です。