(写真)質問する山添拓議員=3日、参院憲法審
参院憲法審査会は3日、憲法が規定する緊急事態対応を巡り参院法制局などから説明を受け、各党が意見を表明しました。日本共産党の山添拓議員は、緊急事態条項の創設を主張する政党が長期にわたる緊急事態対応をことさら強調するのは「戦争を想定しているからだ」と指摘。「国会は戦争を起こさせないための外交安全保障政策こそ議論すべきだ」と主張しました。
緊急事態条項は、大規模災害や外部からの武力攻撃などを理由に、国会の権能を奪い内閣に権限を集中させるものです。
山添氏が、明治憲法が緊急事態条項として定めていた「緊急勅令」「緊急財政処分」の発令件数を問うたのに対し、川崎政司参院法制局長は、合計108件だと答弁。最高刑を死刑とする治安維持法改悪案は国会で廃案になった後、政府が緊急勅令で改定を決定したと説明しました。
山添氏は「野党や市民の反対で廃案になり、それでも強行するために使ったのが緊急勅令だ」と悪用された歴史を指摘しました。
現行憲法は衆院解散中の緊急時には参院の緊急集会で対応し、次の国会開会後10日以内に衆院の同意が必要だとしています。山添氏は同制度の趣旨について「緊急事態条項や国会議員の任期延長では民主政治からの逸脱が続き得るため、早期に本来の国政のあり方へ復元する仕組みをとった」と説明しました。
山添氏は、東日本大震災でも全国的に選挙が行えない事態は生じず、コロナ禍でも国政選挙の補選が実施されているとして、改憲を主張する政党が想定しているのは戦争だと強調。「異論を封じ、国家の都合で国民を動員し、国策に協力させるためで、それを行ってはならないというのが歴史の教訓だ。憲法が戦時を想定した規定を設けていないのは、戦争をしないと誓った9条があるからに他ならない」と主張しました。

