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2026年6月4日

主張

26年度補正予算案
「積極財政」路線の破綻は明白

 イラン戦争がもたらす物価高と資材不足が深刻化しています。高市早苗首相は補正予算の編成について「必要な状況ではない」と繰り返してきましたが、国民の不安を無視できなくなり、ようやく2026年度補正予算案を国会に提出しました。

 しかし、政府の裁量で使い道が決められる予備費の積み増しが大半を占め、使途もガソリン代や電気・ガス料金の補助など従来の延長線上にとどまっています。

■抜本支援にならず

 国民生活や中小企業の経営は中東情勢の悪化を受け、苦しさを増しています。

 帝国データバンクによると6月の飲食料品の値上げは合計1078品目にのぼります。4月の倒産件数は899件と5カ月連続で前年を上回りました。4月としては過去10年で最多です。

 しかし、補正予算案には、年金生活者や低所得者などの暮らし、中小企業の営業に対する踏み込んだ支援はありません。

 物価高騰に見合った年金の臨時的改定やさまざまな福祉的手当の引き上げ、原材料不足によって休業に追い込まれた中小企業への固定費補助や資金繰り支援が必要です。

 ナフサなど石油関連製品の供給不足も深刻です。原油や石油関連製品の需給の実態を正確に把握して、医療など国民生活に欠かせない分野に優先供給を図ることや価格の安定に政府が責任を持つことが欠かせません。

 問題は、こうした国民生活への抜本的な支援策を行う財源をどうつくるかです。赤字国債の発行では円安や長期金利の上昇を引き起こし、かえって国民生活を痛める結果になります。

 高市首相は、補正予算の財源は赤字国債で賄うものの、25年度に税収増で発行せずに済む見込みの国債分を充てるので発行総額は増えないと主張。「国債マーケットに影響を与えることなく、実行可能」などと弁明しています。

■問われるのは財源

 しかし、市場では、すでに財政悪化などへの懸念から、国債が売られ、長期金利は一時、約29年ぶりの水準にまで上昇しました。巨額の為替介入にもかかわらず円安も止まりません。

 「積極財政」を掲げ、国債頼みで、大企業支援や大軍拡を続ける高市首相の財政路線は限界に達しています。政府は食料品の2年限定の消費税減税について、税率を「1%」に引き下げる方向で調整に入ったと報じられていますが、ここでも問われるのは結局、財源です。

 恒久的な財源を生み出す抜本的な打開策は、日本共産党が示している大企業や富裕層への公正な課税(タックス・ザ・リッチ)です。大企業や富裕層への減税・優遇を見直せば、消費税を一律5%に引き下げることもできます。消費税減税は即効性のある最も有効な物価対策です。

 税金を負担する能力のあるところに課税して、国民の暮らしと中小企業の経営の全体を下支えする―。自民党政治を根本的に転換するための経済政策のあり方について、国会でただちに議論を始めることが求められています。