知育・徳育・体育の基礎となり、健全な食生活を自ら実践できる力を育てる―。この「食育」がいまこそ大事に▼子ども世代だけでなく、現役や高齢世代の生活習慣病予防や健康寿命の延伸にもかかわる考えです。なかでも、改めて注目されるのが主食の米です▼古くから「生薬」として扱われてきました。流行語にもなった「医食同源」の考えにつながります。日々の食事と医療はどちらも生命を養い健康を保つためのもので、その源は同じとの考え方です▼先日結成された「コメがつなぐ自治体間農業連携首長協議会」(コメサミット)。その活動方針は「米を食べること、米を知ること、米で繋(つな)がること」です。全国の公立小学生と中学生を対象に月1回の米飯給食で年間約6800トン、40億円の米需要が生まれると試算。食育授業や産地での農業体験を通じて、米を単なる食材でなく、伝統や文化、国土を支えてきた歴史と農業・農村の窮状を知る起点にしようというものです▼水田農家の平均年齢は71歳。コメサミットの顧問に就任した東京大学の鈴木宣弘・特任教授は「各地の農業・農村はあと5年で崩壊しかねない。産地の危機は消費地・消費者の『食』の危機です」▼米を核とした生産者と消費者の連携は「子どもたちの未来を守る大きな一歩に」と鈴木さん。持続可能な日本の「農と食」の実現へ、農家の所得補償・価格保障の課題とともに、農政の転換へとつながるものです。
2026年6月4日

