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2026年6月3日

米「麻薬船」攻撃 死者200人超

効果不明 麻薬流入は活発化

 トランプ米政権が昨年9月からカリブ海や東太平洋で行っている「麻薬密輸船」攻撃による死者は、5月末時点で200人を超えました。政権は米国への麻薬流入阻止が目的だと説明しますが、麻薬流入の勢いは衰えていません。効果も不明なまま、罪のない民間人を殺害し続けていると批判の声が上がっています。

 米南方軍は5月31日に東太平洋で船舶を攻撃し、3人を殺害。これは62回目の船舶攻撃で、犠牲者は累計で205人となりました。

 トランプ政権は「麻薬密輸取引に関与していた」として攻撃を正当化しています。しかし、証拠は何も示していません。米軍が「麻薬密輸船」だと判断した船舶を問答無用で攻撃しているだけです。

 報道によると、カリブ海や東太平洋沿岸の漁師の中には、爆撃の恐怖から漁に出られず、収入源が絶たれる事態も起きています。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのケネス・ロス前代表は5月30日、X(旧ツイッター)への投稿で、船舶攻撃を「あからさまな殺害だ」と批判。「トランプ大統領が指示している麻薬密輸容疑のある船舶への攻撃は違法であり、超法規的殺害だ。軍が民間人を意図的に標的にすることは容認されない」と指摘しました。

 米税関・国境警備局(CBP)によると、船舶攻撃開始後の昨年9月から今年4月までの8カ月間に同局が押収したコカインは約4万7800ポンド(約21・7トン)で、攻撃開始前8カ月間の押収量(4万3200ポンド)よりも多くなりました。作戦開始後の方が、米国への麻薬流入が活発化していることがうかがえます。

 ニューヨーク・タイムズ紙は5月29日、「麻薬密輸組織は今でも米国に麻薬を持ち込む方法を見つけている」とし、トランプ政権の軍事作戦は「効果に疑問が出ている」と報じました。

 米南方軍のドノバン司令官を迎えて5月19日に開かれた上院軍事委員会の公聴会では、議員から作戦の効果を問う声が上がりました。ドノバン氏は、麻薬密輸組織が多くの密輸ルートを持っているとし、「空爆はおそらく最も効果的な手段ではないだろう」と発言。作戦が成果をあげていないことを認めました。(島田峰隆)