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2026年6月1日

主張

安保3文書改定へ
戦場化前提の自民の軍拡提言

 自民党は、敵基地攻撃能力の保有や軍事費2倍化などの大軍拡計画を盛り込んだ安保3文書の改定に向け、提言づくりを進めています。高市早苗首相が3文書の改定を当初の予定より1年前倒しし、年内に行うと表明しているのを受けたものです。

 同党の安全保障調査会は25日、提言案を議論し、大筋了承しました。今後、党内手続きを経て、近く首相に提言します。

 安保調査会に示された提言案は、他国の領土を直接たたく敵基地攻撃能力のさらなる強化や、数年にわたる継戦能力の確保などをうたっています。改定3文書が、他国とミサイルなどを撃ち合い、日本の国土が戦場になることを想定した「戦争国家づくり」の新たな指針になることを示しています。

■他国に「複合攻撃」

 提言案は、各地の紛争で「新しい戦い方」が出現しているとし、その例として「無人アセット(兵器)と弾道・巡航ミサイルを組み合わせた複合攻撃」などを挙げます。

 米陸軍が数年内に最低100万機の無人機を調達するという計画などに言及し「長距離運用が可能なものも含めて多様な無人アセットの導入を大胆かつ迅速に推し進める」ため、「国内における量産基盤を早急に構築する」としています。他国領土に到達できる攻撃型ドローンなどの大量導入を主張するものです。

 提言案は、憲法違反の敵基地攻撃能力を強化するため「必要かつ十分なミサイルの量の確保や射程などミサイルの質の向上を進め」るとし、原子力潜水艦を念頭に、長射程ミサイルを発射できる潜水艦の導入も掲げています。

 他国の領土に対し、長射程ミサイルとドローンの「複合攻撃」を実行できる態勢づくりです。

■現実味を欠く想定

 提言案は、「年単位での継戦能力」を維持するとし、弾薬や燃料の備蓄、基地の強靱(きょうじん)化、自衛隊員に多数の死傷者が出ることを想定した病床や医療人材の確保、軍需産業の強化などを主張しています。

 一方、国民生活を維持するのに必要な食料やエネルギーなどについては、備えが十分か調査し、その結果を踏まえて各省庁の政策を精査・実行すると言うだけです。

 食料自給率が4割を切り、エネルギー自給率も低い日本で長期にわたり戦争を行うというのは、あまりにも現実味を欠いています。

 提言案は、軍事費について「5年以内に防衛力の変革を成し遂げるべき」だとし、2027年度以降も増額を求めています。北大西洋条約機構(NATO)諸国や韓国、豪州が軍事費を国内総生産(GDP)比3~3・5%に引き上げることに触れ、「自国を守る覚悟のない国を助ける国はない」と強調しています。

 しかし、NATOなどの軍事費増はトランプ米政権の圧力によるものです。日本も同政権の要求に応じなければ見放されてしまうという、対米従属姿勢を告白したものにほかなりません。

 日本の平和と国民生活を守るには、戦争を起こさない、憲法9条に基づく外交こそが必要です。