性売買での「買う側」への処罰導入の是非を検討している法務省の検討会は29日、処罰を含めた「買う行為」の規制について、法改正の論点にすると決めました。「売春防止法」(売防法)制定から70年で初めてです。
同日開催の検討会第4回会合で、法改正に向けた「論点整理案」が示され、了承されました。「売春」の定義や性売買の勧誘行為の処罰などが論点になりました。
現行の売防法に「買う側」への処罰はありません。同法が「売春」として禁じる性的行為は「性交」のみです。それ以外の行為は全て「性交類似行為」として合法とされており、性風俗店などで行われています。
同法は、「売る側」の勧誘行為を処罰対象にしています。
同日の会合では、禁止行為に「性交類似行為」を含めるかどうかを議論し、賛成・反対の双方の意見を交わしました。また、「買う行為」への処罰導入を見送る意見が出る一方、グルーミング(手なずけ)などの影響下にある女性を「買う行為」に対する処罰を求める意見が出ました。
刑事罰による抑止必要
日本共産党の仁比聡平参院議員の話
政府は、性売買が女性に対する人権侵害だと明確にし、「性売買」の定義には、風俗営業法(風営法)のもとで合法の「性交類似行為」を含めるべきです。そのために、性売買に携わる女性が受ける被害の深刻さと、被害の回復に必要な支援や支援の実情をヒアリングなどで徹底してつかむことが重要です。
性売買の被害当事者は、「女性が金銭によって商品として取引され、性売買を拒否、抵抗できない状況がつくられている」「女性が困窮した時に体を売らせる社会を望んでいる男性たちがたくさんいるからこそ、性売買が成り立っている」と指摘しています。「買う側」こそが原動力になっている性売買の構造を、政府は責任を持って実態把握すべきです。その上で、適切な刑事罰による抑止規制が必要です。
女性の人権を守ろうとする歴史的な運動があり、性売買の被害の回復に向け、「女性支援法」をはじめ努力が積み重ねられています。
検討会は、刑事罰を伴った抑止規制と、被害者へのケア、社会福祉の充実を一体にとらえた対策に議論を実らせることが問われています。

