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2026年5月30日

改定健保法成立 患者に重い負担増 命脅かす

保険料削減は183円

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 29日、参院本会議で可決・成立した改定健康保険法は、▽OTC類似薬(市販薬と有効成分や使用目的が同じ処方薬)の患者負担増▽出産費用無償化に向けて正常分娩(ぶんべん)に全国一律の単価を設け、公的医療保険で賄う制度の新設▽高額療養費制度の見直しに当たっての考慮事項の法定化―などを盛り込んだ一括法です。

 国会審議の最大の焦点は、OTC類似薬の患者負担増でした。政府はOTC類似薬の薬剤費の4分の1を保険給付の対象外として「特別の料金」として支払い、残りの4分の3を保険給付として負担割合に応じて定率を支払う仕組みを創設します。

 政府は2027年3月から、解熱消炎鎮痛剤ロキソニン錠や花粉症治療に用いるアレグラ錠などの77成分・1100品目の医薬品を対象とする方針。窓口負担が3割の患者の場合、薬剤費の自己負担額は1・6倍に増えます。昨年末の「大臣折衝事項」では、27年以降に対象範囲や負担割合を拡大していくことも明記されています。

 改定法では、今年度予算で8月から段階的な患者負担増が決まっている高額療養費制度の見直しについて、長期療養者の家計への影響を適切に考慮する旨を明記しました。

 しかし、厚労省が制度の見直しを議論した専門委員会で、収入の変動や教育費の家計への影響を検討していなかったことも明らかになっています。8月の負担増の強行は許されません。

 相次ぐ政府の医療制度改悪は「現役世代の負担軽減」の名の下に行われています。しかし、改定健保法に盛り込まれた「OTC類似薬の追加負担」と今年度予算で決まった「高額療養費制度の見直し」、6月から負担増が始まる「長期収載品の選定療養見直し」の3項目で軽減される保険料は、月額ペットボトル1本分(約183円)しかありません。

 一方、花粉症や慢性疾患、がんや難病で長期療養を必要とする患者には重い負担増が強いられます。負担増によって治療を中断するなど、患者の命や健康、生活を脅かします。

 とりわけOTC類似薬の負担増は、医師が診断・処方した医薬品に保険外の追加負担を求めることになり、必要な医療は保険診療で給付することを前提としてきた国民皆保険制度の理念から大きく逸脱する重大な改悪です。(森糸信)