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2026年5月30日

主張

文科省の「見解」
許されない教育内容への介入

 沖縄県辺野古沖で小型船が転覆し、研修旅行中の同志社国際高校の生徒ら2人が死亡した事故で、文科省は22日、この平和学習が教育基本法14条2項に違反するという異例の「見解」を出しました。

 研修旅行の安全管理上の問題が厳しく問われるのは当然です。日本共産党は運航した団体の構成員の一員として、「生徒を船に乗せたことは重大な誤り」と謝罪し、事故原因の解明、謝罪と補償に尽力すると表明しました。

■重要な主権者教育

 同時に、教育内容に対する権力的介入は抑制的でなければなりません。

 そもそも、主権者を育てるうえで政治教育はきわめて大切だというのが教育基本法14条(政治教育)の立場です。14条2項で禁じているのは「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動」であり、たいへん限定されたものです。子どもたちに政府への恭順を教えた戦前の教育を反省し、自主的で批判的な主権者を育てる自由な政治教育を期して制定されました。

 文科省が14条2項違反の根拠としたのはいずれも根拠になりえません。抗議船を使ったと言いますが、見学のためで抗議活動ではありません。数年前のパンフに座り込みを訴える文があったと言いますが、テント村がどんな所かを知らせるための文章転載で、座り込みを求めていません。

 辺野古基地問題について「様々な見解を十分に提示していたことが確認でき」なかったともいいますが、フィールドワークで現地の人の考え方を知ることは見解の強要でなければありうることです。

 この研修旅行を14条2項違反とすれば、政府の進める政策に否定的な意見を持つ人に話を聞くこと、さまざまな場に赴くこと自体が許されなくなっていきます。

■勝手に解釈を広げ

 14条2項のどこに抵触したかの説明も支離滅裂です。今回、党派的「政治教育」と認定できませんでした。ならば介入すべきでないのに、同項の「政治的活動」の範囲を「特定の政党との関係の有無にかかわらない」と勝手に広げ、それに抵触したと強弁したのです。

 こうした教育内容への介入は許されるものではありません。1976年の最高裁学力テスト判決は憲法判断として、教育は「人間の内面的価値に関する文化的な営み」であって、「教育内容に対する国家的介入はできるだけ抑制的であることが要請される」と明示しました。

 教育基本法16条は、教育行政機関によるものも含めて教育への「不当な支配」を禁じています。これらは2006年の安倍晋三政権による教育基本法改悪でも否定できず、今も政府を拘束しています。

 介入の背景は与党の自民党、維新の会による圧力で、事故当初から政府に教育活動の「徹底的確認」を求めていました。文科省は政治教育の全国調査を行うと言い出し、教育内容への介入がエスカレートする危険があります。

 主権者教育は日本の未来を左右します。介入を許さず、全国の学校を萎縮させない世論と運動を広げましょう。