政府の情報機関の司令塔機能を強化する「国家情報会議」設置法案について、自民党と日本維新の会の与党は26日の参院内閣委員会での採決を狙っています。市民監視の強化・人権侵害拡大の危険を訴える市民団体、法律家団体、メディア関係団体などからの反対の声も大きく広がるなかでの採決強行は許されません。徹底審議が求められます。
同法案は「内閣情報調査室(内調)」を「国家情報局」に格上げし、同局に情報活動の総合調整機能を持たせ、「国家情報会議」の事務局として各省庁が収集した個人情報を同会議に集約するものです。
法案によると、国家情報会議・局が、各省庁がそれぞれの目的で収集した個人情報について、提供を求めることができます。個人情報の目的外使用・提供は個人情報保護法で原則禁止されていますが、法案によって可能になります。各行政機関が収集した個人情報を本人の同意なく集約することは、重大なプライバシー侵害です。
こうした危険がある一方、法案には、国家情報会議・局の活動に対する国会や第三者機関によるチェック・監視体制など本来、セットで提案すべき民主的統制がありません。
過去には、イラク戦争時の自衛隊情報保全隊の市民監視事件や大垣警察市民監視事件、大川原化工機冤罪(えんざい)事件など、広く恣意(しい)的な市民監視、違法な情報収集活動が行われてきました。旧動燃(現、日本原子力研究開発機構)が警察や公安調査庁と協力して職員を監視し差別していた事案もあります。同法案で政府の情報活動がさらに暴走する危険があります。
26日の参院内閣委員会で高市早苗首相出席で同法案の質疑が行われます。採決には日本共産党と、れいわ新選組が反対しています。共産党は徹底審議・廃案を強く求める構えです。

