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2026年5月16日

主張

教室不足の常態化
特別支援学校 現状放置するな

 音楽室・理科実験室などの特別教室や倉庫の転用、一つの教室を間仕切りで分けたり、体育館や廊下に仕切りを立てて教室にする―ほかの学校ならば考えられない対応で教室を確保する事態が、障害のある子どもが通う特別支援学校で常態化しています。

 文科省は4月、公立の特別支援学校の教室不足調査の結果を公表しました(2025年10月1日時点)。前述のような対応の教室は全国で7933教室。前回調査の23年から457増、21年からは808増と増え続けています。特別支援学校に通う子どもは25年度約15・5万人で年々増え続けており、抜本的対応が不可欠です。

■残る差別的な対応

 幼稚園から大学までほかのすべての学校には学校教育法に基づき、設備や1クラスの人数などの最低基準を定めた設置基準があります。しかし、特別支援学校については「障害種の多様さ」を口実に基準がなく、教室不足が放置されてきました。

 21年に保護者や教職員の運動と日本共産党の国会論戦でようやく設置基準が制定されました。施設・設備を含めた全面施行は23年4月です。ただし、基準の適用は新設校だけで、既存校への適用は「当面」見送りとされたまま今に至ります。そのため、全面施行から3年たっても、本来の教育環境とかけ離れた差別的状況が解消されていません。

 教室不足解消としてプレハブの教室を建てるために運動場などが削られる事例も起きていると全日本教職員組合(全教)は指摘します。また、学校の過大化・過密化を防ぐために保護者らが求めた在籍数の上限が設置基準に入らず、過大化がすすんでいます。

 全教などの調査では、在籍数300人超の学校が19年度の57校から25年調査では104校に増加。数年で100人以上増えた学校もあり、在籍数600人超の学校も出ています。全教は、過大化で体育館、運動場などを1人の子が使える頻度が激減し教育条件が悪化していると訴えます。

■国庫補助を上げよ

 文科省は4月10日、教室不足は依然として高い水準だとして解消に向けた通知を各県教委に出し、少子化で空いた小中学校などの教室活用を呼びかけました。しかし、専門性を持つ特別支援学校の教育を一時しのぎの間借りですますことはできません。

 特別支援学校に通う子どもが増えるなか、小手先の対応では異常な状況は解決しません。障害のある子どもの多様な教育活動を保障する抜本的な対応が必要です。

 文科省は20年度から24年度を「集中取組期間」とし、教室不足解消のための改修などへの国庫負担を3分の1から2分の1に上げましたが、不足は解消していません。今回の文科省調査で、文科省が不足と算定する3192教室のうち今年度中に解消する見込みなのは12%にすぎません。集中取組期間は来年度まで延長されましたが、それで解消するめどはありません。

 教育予算を増やし、国庫負担を3分の2へ引き上げ、学校設置基準を既存校にも適用し、特別支援学校を増設すべきです。