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2026年5月15日

主張

ミャンマーの軍政
暴力を直ちにやめ対話始めよ

 東南アジア諸国連合(ASEAN)が8日の首脳会議の議長声明でミャンマーに、市民への暴力停止と国民的対話に向けた環境づくりを改めて呼びかけました。2021年2月1日のクーデターから5年が過ぎても、国民の抵抗はやむことがなく、不服従運動が続いています。民政復帰への願いを武力で抑えつけることはできません。軍政当局は対話に応じ、ASEANが求める「5項目合意」の履行に踏み出すべきです。

 軍政当局は25年12月から26年1月にかけて「総選挙」を実施し、新しい議会を選出し、新議会が大統領を選出しました。ともに何の正統性もなく、ASEANをはじめ国際社会は認めていません。

 「大統領」に就任したミンアウンフライン前国軍総司令官は、20年の選挙で選ばれた国民民主連盟(NLD)政権から不法に政権を奪った張本人です。ASEANは今回の首脳会議に同氏の出席を認めませんでした。

■5項目合意履行を

 クーデター以来NLDは解散、禁止され、民政復帰を求める勢力は弾圧を受けています。国民が自由な立候補、選挙活動をできない中での「総選挙」でした。軍政に抵抗する少数民族の地域など、掌握できていない15%の地域で投票が行われませんでした。

 当選者の圧倒的多数は軍人や軍支援者です。武力で不法に奪った権力に民政の装いをこらすだけの選挙でした。

 軍政当局は4月、クーデターで拘束したNLD政権のウィンミン大統領を含む4千人以上の政治囚の釈放を発表しました。しかし、ミャンマーの人権団体によると、クーデター以来これまでに3万人以上が逮捕され、2万2千人以上がいまだ拘束中です。8千人以上が殺害されました。

 NLD政権の最高顧問アウンサンスーチー氏は軍事裁判で合計33年の刑を言い渡されました。その後、減刑され、4月に刑務所から「指定された住居」に移したと軍政当局は発表しましたが、服役中であることに変わりはありません。軍政当局は、ASEANが求めている特使とスーチー氏との面会を拒んでいます。

 ASEANの5項目合意は(1)暴力の即時停止(2)平和的解決に向けた全当事者による建設的対話(3)ASEAN特使による対話の仲介(4)人道支援の実施(5)特使のミャンマー訪問と全当事者との面談―です。国際社会も5項目合意を支持しています。履行に踏み出さなければ、ミャンマー軍政は追い込まれるばかりです。

■国際社会の支援も

 22年12月には国連安全保障理事会で、拘束している指導者の解放、ASEANの努力への支持、民意に基づく解決を呼びかけた決議が採択されました。国際社会はASEANの外交努力を支え、民主化要求をさらに強く、国軍に突きつけていかなければなりません。

 日本政府による政府開発援助(ODA)は軍の資金源となってきました。25年3月に発生した大地震では軍が一部被災地への支援を制限し、大きな問題となりました。災害支援にあたっても、軍の資金源にならないよう人道支援に徹する必要があります。