いまや「国民食」ともいえるポテトチップス。近年の市場規模は1300億円を超え、年間でおよそ10億食が消費されています。購入者は子どもだけでなく、シニア世代にも広がっているといいます▼そのポテトチップスの袋が、カラーから白黒に変わることが話題になっています。半世紀前から販売するカルビーは「中東情勢の緊迫化に伴い、印刷インクをはじめとする一部原材料の調達が不安定な状況となっている」からだと▼包装にかぎらず石油化学製品の原料となるナフサ不足は産業や生活のあらゆる場に影響しています。資材の高騰や供給減は経営危機に直結。このままでは立ちゆかなくなる中小企業も少なくありません▼日本や世界の生業(なりわい)やくらしを直撃している石油危機。その原因をつくったトランプ米大統領は戦闘終結の協議をめぐるイラン側の回答について、「ごみのような代物」とはねつけています。無法な攻撃を仕掛けてイランの国民を死傷させながら、どこまでも尊大な態度です▼苦難を強いられるなか、高市首相は「必要な量は確保できている」とくり返すだけです。国民を苦しめている元凶には物も言えず、天までもちあげる。いったい何のため誰のための政府なのか▼とりどりの色が消えたポテトチップスの袋。その白黒の姿は、軍事力で他国を従わせようとする大国の横暴なふるまいが暗く覆う世界の反映でも。同時に、それにあらがい、日々の営みを必死に保とうとする民の思いを象徴しているようにも映ります。
2026年5月14日

