沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、防衛省が進めている埋め立て土砂投入の総量は3月末時点で約352万立方メートルで、進捗(しんちょく)率は約17%にとどまっていることなどが防衛省沖縄防衛局や県への取材で分かりました。投入開始から7年3カ月が経過しており、このペースが続けば埋め立てだけで40~50年かかります。
(写真)新基地建設が強行される沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ、辺野古・大浦湾=2月3日
新基地完成が米軍普天間基地(同県宜野湾市)の「返還」条件になっており、政府の想定では新基地完成と普天間返還は最短で2036年です。しかし、埋め立て作業は2060年代まで続くペースです。加えて最深で海面下90メートルに達する軟弱地盤が存在しており、現在の技術では改良工事は不可能です。玉城デニー知事は4月25日の県知事選への出馬会見で「辺野古新基地は基地の永久固定化であり、断固認められない」と述べました。
政府は18年12月から辺野古沖を土砂で埋め立てる作業を始め、25年1月から大浦湾側の軟弱地盤を改良する「砂くい」の打設を開始。同年11月に大浦湾側への土砂投入に着手しましたが、軟弱地盤がない一部区域にとどまります。
新基地建設でこれまで投入された埋め立て土砂は計画総量の約2017万6000立方メートルのうち約17・4%(3月末時点)。辺野古側はほぼ陸地化されましたが、大浦湾側は必要な土量約1700万立方メートルのうち投入済みは約34万立方メートルと2%にすぎません。砂くいの打ち込み数は3月末までに計7600本と進捗率は約11%。完了までに単純計算で10年以上かかります。
一方、辺野古の建設費は24年度までに約6483億円を執行。政府が示している「総経費9300億円」の約7割に達しています。25、26年度の歳出額を加算すると8431億円に上り、政府想定の9割に達しています。普天間基地の返還につながらないばかりか、「永久固定化」につながる工事のために巨額の税金が投入されています。
日米両政府は1996年4月、普天間基地返還で合意。当初は2001~03年に返還される予定でしたが、辺野古基地建設が条件とされたため返還合意から30年たった現在も、返還のめどが立っていません。

