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2026年5月13日

きょうの潮流

 その顔には口が描かれていません。やさしさや思いやりは、口(言葉)で表すだけではなく、態度で示そうというメッセージが込められているから▼「相手に感情を押しつけない。空気のように見ていてくれる。それがずっと一緒にいられる秘密なんじゃないかしら」。担当デザイナーはそう語ります。日本から生まれ、「カワイイ」を世界に広げたともいわれるハローキティです▼その人気キャラクターの制作現場に密着したテレビ番組がありました。誕生から半世紀、混迷を深める現在にあってカワイイの先にあるものを模索する姿。そこにはサンリオ創業者で戦争を体験した辻信太郎さんの「みんな なかよく」の考え方が流れています▼終戦の1カ月前、大学生だった辻さんは実家の甲府市へ帰省中に空襲で被災。火の海となった街を逃げ回り大勢が犠牲となった惨事を目の当たりにしました。戦後、山梨県職員を経てサンリオの前身企業を創設。思いやりのあるコミュニティーをつくりたいと▼荒廃から起業した人の多くは平和な国づくりに貢献したいとの思いを抱いていました。それは憲法の精神にも。ところが今の政権は強い経済ばかりを強調し、国民多数が反対する武器輸出まで。1%しか最優先課題にあげていない改憲にも前のめりです▼戦争だからしょうがないといわれ続けた辻さん。武力で解決させない世をつくるためにまいてきた平和の種は、いまや130の国と地域に。ハローキティには人々の願いが映し出されています。