(写真)辰巳孝太郎議員
日本共産党の辰巳孝太郎議員は12日、人体に有害なポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物処理特措法に関する質問主意書を提出しました。国際条約に従って定められている期限を廃止し、在日米軍が排出したPCB廃棄物を、無期限・無制限で日本に押し付けることを可能とする法案です。
PCBは最大の食品公害事件と言われるカネミ油症事件の原因物質で、肝臓障害や心臓疾患、骨の変形などの高い毒性に加え、自然界で分解されず生物に蓄積されることから、ストックホルム条約で廃絶と適正処理が求められています。
法案は、国が出資して設置した処理施設(中間貯蔵・環境安全事業=JESCO)が閉鎖されることを受けて、これまで定められていた2027年度末までの処理期限を撤廃し、低濃度PCBのほか、これまで民間施設では処理できなかった高濃度PCBも処理できるようにします。
これにより、在日米軍は期限を気にせず、現在保有している低濃度・高濃度PCBを日本の民間企業と契約して日本国内で処理できるようになり、政府は何らPCBを管理・監督できなくなります。
重大なのは、在日米軍から日本に土地・建物を部分的に返還した場合、そこに残っているPCBを防衛省が受け取って、日本政府が日本の予算で民間施設を使って処理することになりかねない点です。しかも、在日米軍はPCB含有機器の所在地や数量を明らかにしないため、日本に返還する土地・建物にPCB機器を持ち込んで、元からそこにあったことにすれば、日本側に無制限に処理させることができてしまいます。
日米両政府は24年、在日米軍が米国など海外から日本へ持ち込んだPCBは、米国移送することを約束。また、在日米軍が日本で購入したPCBは、期限内では日本国内で処理するとしたものの、期限後は全て米国移送することも約束しました。法案はこれらの約束を全て反故(ほご)にするものです。
PCBの処理事業は、06年には国の東京事業所で、10年10月には豊田事業所で、16年には北九州事業所でと何度も漏出事故を起こしています。今後は、全国26カ所の民間処理施設のいずれかでの処理が想定されていますが、国は責任をもって安全管理ができるのかが問われます。辰巳議員に対する答弁書は22日に閣議決定される見通しです。

