(写真)パネルを示して質問する吉良よし子議員=11日、参院決算委
吉良「成果文書採択し、体制維持へ努力を」
首相「積極的役割果たす」
日本共産党の吉良よし子議員は11日の参院決算委員会で、ニューヨークの国連本部で開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、「核兵器のない世界」に向けた積極的な成果文書が採択されるよう、日本政府が役割を果たすよう求めました。
吉良氏は、世界で国連憲章に反する戦争が行われ、核兵器の重大な脅威に直面する中での再検討会議であり、過去2回の会議で出せなかった成果文書を採択できるかが焦点だと強調。日本共産党を代表して志位和夫議長と共にニューヨークを訪れ、会議成功に向けてビエット議長(ベトナム国連大使)など各国政府代表に要請するなかで、成果文書採択に向けた日本政府の積極的な役割を求められたと紹介しました。
吉良 成果文書を採択し、NPT体制を維持する努力をすべきだ。
高市早苗首相 核兵器国と非核兵器国の双方が一致できる点を見いだせるように、積極的な役割を果たしていく。
吉良 人類が核兵器の重大な脅威に直面している今、核兵器のない世界へ向けた積極的な成果文書を発出することは非常に重要だ。
吉良「討論で政府代表が6条に触れなかった」
外相「言葉使うより内容が大事」
吉良氏は6日に配布された会議の成果文書の草案は、日本共産党として各国代表に行った4点の要請(別項)に沿ったものだと強調。とりわけ核戦争の危機を脱するため、条約第6条に基づき、核保有国が核軍縮を進め、核軍縮の義務を果たすよう再確認することが重要だと主張しました。
吉良 核軍縮をいかに進めるかが議論の中心点ではないか。
茂木敏充外相 核軍縮を進めることは議論の中心点でもある。国光文乃外務副大臣も、核兵器国に核軍縮、軍備管理の取り組みを促す演説をした。
吉良 第6条完全履行・具体化をどう進めるかが議論の中心だ。ところが一般討論演説で国光副大臣は第6条に全く触れなかった。なぜなのか。
外相 言葉を使うよりも内容が大事だ。
吉良氏は、南アフリカやフィリピンなど締約国の7割以上が第6条の履行・具体化を一般討論演説で明確に主張したと指摘。日本と同様に米国と軍事同盟を結ぶ韓国も「条約第6条に沿って、核軍縮及び核軍拡競争の中止に関する誠実な交渉を追求する核兵器国の特別な責任を想起する必要がある」と述べたと紹介し、これらに比べ「日本政府の発言はあまりに抽象的だ」と批判し、明確に第6条の履行を主張すべきだったと強調しました。
吉良「核保有国は義務を果たしているか」
首相「一概に答えることは困難」
吉良氏は「いま問題なのは、核保有国が第6条に逆行して核軍拡を進めていることだ」と強調。会議の一般討論でも、核保有国の新型核弾頭の開発や近代化を進めるなどの動きを第6条に照らして批判する発言が相次いだと指摘。こうした状況でも、核保有国に核軍縮を求める第6条の完全履行に日本が言及しないのは、核保有国の核軍拡の動きを問題ないと認識しているからなのかと迫りました。
吉良 日本政府は、核保有国は第6条の義務を果たしているという認識なのか。
首相 義務を果たしているか、一概に答えることは困難だ。
吉良 成果文書の草案では、第6条の目的が未達成であることを深く遺憾に思うとしている。一般討論でも、多くの国が核兵器国が第6条の義務を果たしていないと批判した。これが締約国の多数の共通認識だ。
高市首相は、答えるのは困難と繰り返す一方、すべての締約国によるNPT第6条の義務の履行を確保すべく働きかけを行っていくと述べました。
吉良「核軍縮の約束を再確認するのは、NPT体制維持の魂の部分」
吉良氏は、多数の非核保有国がNPTに参加したのは、核保有国に対し核軍縮の議論を進める義務を課した第6条があったからだと指摘し「NPT体制を維持するには、第6条の完全履行が絶対に欠かせない」と強調。成果文書の草案でも、第6条が定める核軍縮の交渉義務と過去の会議での約束の履行を求めていると指摘しました。
吉良 政府は、第6条の義務の履行を求める方向が締約国の合意になるよう、そして会議の成果文書として採択されるよう努力すべきだ。
外相 核兵器保有国と非核兵器国の間をどう取り持つか、そうでないと成果文書ができない。
吉良 核軍縮の約束を再確認するのは、NPT体制維持の魂の部分だ。それをなくして合意はありえない。
吉良氏は、再検討会議での日本原水爆被害者団体協議会の濱住治郎事務局長の「2000年の再検討会議でみなさんが約束し、10年に再確認した『保有核兵器の完全な廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束』を速やかに実行してください」との発言を紹介。第6条の確実な実行こそが被爆者を含めた世界の願いだと訴え、政府に対し「第6条の履行を唯一の戦争被爆国である日本政府が主張し、成果文書が発出できるよう努めてほしい」と強く求めました。
2026年NPT再検討会議にたいする日本共産党の要請
1、すべての締約国が、「国際連合憲章に従い、武力による威嚇又は武力の行使を慎むこと」(NPT前文)、誰によるものであれ国連憲章に反する行動に反対することを表明し、順守する。
2、すべての締約国が、「核兵器の使用または使用の威嚇を行わない保証を非核兵器国に与える」(2010年再検討会議)ことを再確認し、具体化・履行する。
3、NPT第6条の履行の停滞、後退を打開するために、これまでの再検討会議で確認された次の諸点を、再確認し、具体化・履行する。
―「核兵器の全面廃絶に対する核兵器国の明確な約束」(2000年再検討会議)
―「核兵器の使用による破局的な人道上の結果に関する深い懸念の表明」(2010年再検討会議)
―「核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立するための特別な取り組みをおこなう」(2010年再検討会議)
4、中東を非核・非大量破壊兵器地帯にする1995年の再検討会議の決議を再確認し、具体化・履行する。
核不拡散条約(NPT)第6条
各締約国は、核軍備競争の早期の停止及び核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、並びに厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を行うことを約束する。

